フォルクスワーゲンの電気自動車「e-up!」の試乗で気になる5つの特徴

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3:回生ブレーキの強さを切り替えられる

減速時のエネルギーを使って発電する「回生ブレーキ」というシステムがあり、これはガソリン車でいうエンジンブレーキのような感覚でアクセルを離したときに車体を減速させます。

しかし、強すぎても弱ぎてもしっくりとこない減速感の味付けが難しいところで、どうやって人間の感覚にあわせるかがエンジニアのチューニングの腕の見せ所なのです。

そこで、e-up!ではシフトレバーで回生ブレーキの強さを好みに応じて切り替え可能。ブレーキ回生なしで減速は最小限(ほぼ滑走している感じ)からアクセルを踏むと強く減速する段階まで、計5パターンを用意しているのです。

この回生ブレーキの強さはアクセルを離したときだけ違いが現れ、アクセルを踏んでいるときのシステムの制御はどのモードでも同じです。それがガソリン車の「ギヤ」と違うところですね。システムの基本や考え方は三菱アウトランダーPHEVの「回生レベルセレクター」と同じじです。

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4:日本の急速充電器(CHAdeMO)に対応

EVといえば切っても切れない関係が急速充電器。e-up!はどうなっているのかといえば、実は日本に広く普及しているCHAdeMO(チャデモ)と呼ばれる方式に対応しています。

実は、この急速充電システムはドイツとは異なっていて、CHAdeMOはe-up!でも日本仕様だけに搭載。そんな日本仕様独自の作り込みというか作り分けも、どれだけ本気で日本市場へ挑んでいるかを具体化しているかわかりやすい例ですね。

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5:見た目はちょっとだけ違う

日産リーフやBMW i3のように専用ボディを起こすのではなく、既存のボディを使ってEV化したのは「ユーザーに違和感なく受け入れてもらい幅広く普及させるため」なのだそうです。

しかし、デザインはガソリン車のup!とまったく同じではなくちょっと違います。

たとえば前後のバンパーの黒い線の部分にリフレクターが装着され、専用のサイドスカートも装備。ホイールも空力を重視した形状になっています。

 価格は366万9000円ですが、補助金(現時点では金額未定)を受ければ実質300万円を切るくらいの値段となりそうです。

ちなみにフォルクスワーゲンではe-up!の後にゴルフがベースのe-Golfもスタンバイしていて、その後(2015年中)にはプラグインハイブリッド車の発売も予定しているそうです。

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https://clicccar.com/2014/11/13/278034/

(工藤貴宏)

この記事の著者

工藤貴宏 近影

工藤貴宏

1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに執筆している。現在の愛車はルノー・ルーテシアR.S.トロフィーとディーゼルエンジンのマツダCX-5。
AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。
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