FCVの低コスト化に光!白金に代わる触媒研究で成果

中でも、FCスタックの化学反応を促進させる電極用の「白金触媒」がコストを増大させる要因になっており、白金(Pt)の使用量を低減する事が重要課題となっています。

TOYOTA_FCV
(出展 トヨタ自動車)

「白金」の世界全体の推定埋蔵量は3~8万トン程度とされており、主な産出国は南アフリカ共和国、ロシア、カナダで、多くは南アフリカに偏在。

グラム当たりの価格が5,000~7,000円と非常に高価で「NEDO」(独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)によれば、FCV1台に使用される白金の量は小型車(80kW)で32g、中型車(150kW)で62g、大型車(250kW)で150gとのこと。

FCV1台あたりの平均使用量を50gとすると、白金だけで25~35万円ものコストに。

現状の「白金」産出量は年間180トン程度で、世界の自動車年産台数の10%以下しか需要を満たせない状況と言います。

TOYOTA_FCV
(出展 トヨタ自動車)

白金の推定埋蔵量は3万6000tに過ぎず、白金触媒を使うかぎり、燃料電池車の普及は望めない状況。

この記事の著者

Avanti Yasunori 近影

Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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