ディーゼルの価格は「XD」の2WDはATもMTも同じ178万2000円で、「XD Touring」の2WDは両トランスミッションともに194万4400円、最上級の「XD Touring L Package」は199万8000円。なお、全グレードに4WDを設定していますが、ATのみになります。
国産代表として、いまの登録車で最も売れているトヨタ・アクアと比べると、アクアは1.5L+モーターのハイブリッドのみで、価格は174万8572円〜200万5714円。かなりアクアを意識した値付けなのが分かります。
安全装備では、アクアは「シティブレーキサポート」が未設定で、サイドエアバッグ&カーテンシールドエアバッグがオプション(4万3200円)。
デミオのディーゼルは、「シティブレーキサポートシステム」と「AT誤発進抑制制御」、カーテン&&フロントサイドエアバッグが全車標準で、これだけでも10万円以上の価格価値があります。
さらに、車線逸脱警報システムもデミオはオプション設定していますが、アクアは未設定。
ヒルスタートアシストは両者に標準で、デミオは「XD」にクルーズコントロールをオプション、「XD Touring」以上に標準装備しているのも強み。高速道路を頻繁に使うのであれば、デミオの方が楽に移動できそう。
エアコンはアクアが全車オートで、デミオは廉価の「XD」はマニュアルが標準、オートはオプション。「XD Touring」以上はオートです。
細かなところでは、アクアの「L」は運転席のハイトアジャスターが省かれ、チルトステアリングのみ、さらにアクアにはヴィッツ同様にシートベルトアンカーアジャスター(上下調整機構)が未設定なのは、コストダウンあるいは安全性軽視と言われても仕方ないところ。
動力性能では、スペックでも乗ったフィーリングでもデミオ・ディーゼルの勝ちです。デミオ・ディーゼルのMTは、クラスで図抜けたトルクが目を惹きますが、パワーもコンパクトカーでは高く、105ps/4000rpm、250Nm/1500-2500rpm。
アクアの74ps/4800rpm、111Nm/3600-4400rpmにモーターアシストを加えても、アクアのシステム合計出力は100ps。
数値以上に、中低速域のトルク感はデミオの方が上という印象で、山岳路や高速道路でも楽にドライブできそう。重量はMTとアクアが互角ですが、ATになるとアクアよりも50〜80kg重くなります。
静粛性はもちろんアクアの圧勝で、アイドリングストップ作動時ならデミオももちろん静かですが、作動していない時はディーゼルらしい音が侵入してきます。アクアにはEVスイッチもありますから早朝深夜の住宅街などでも重宝しそうです。
燃費も37.0km/Lのアクアが圧勝で、デミオはMTの30km/LからATだと26.4km/Lに大きく下がるのが難点で、アクアとデミオ・ディーゼルATだと10km/L近い差に。
しかし、アクアのレギュラーガソリンとデミオ・ディーゼルの軽油には約20円の差がありますから、距離を走るほど差は縮まるはず。
ハイブリッドの旨味が減る高速移動ならより差が付きにくくなると想像できます。逆に、ストップ&ゴーの多い街中中心ならアクアの優位性が高く、「近所の足」という使い方ならアクアの利点が光るわけです。
安全装備では少なくても10万円もの買い得感のある新型デミオ。前後席ともにデミオの方が頭上空間にも余裕がありますから、「後席にも人を乗せて長距離移動をするなら」室内の広さや開放感も含めると、デミオ・ディーゼルに軍配が上がります。
■トヨタ・アクアが一部改良で燃費世界一を奪還! 37.0km/Lに
https://clicccar.com/2013/11/27/238659/
■マツダ新型デミオで長距離を走るクルマ好きなら迷わずディーゼルを選びたい!
https://clicccar.com/2014/10/03/270872/
■「2014-2015日本カー・オブ・ザ・イヤー」をマツダ・デミオが獲得したワケは?
https://clicccar.com/2014/10/13/273039/
(塚田勝弘)