今から33年前の1981年、モーターファン別冊「新型ソアラのすべて」が発刊されました。それはオイルショックと排ガス規制で骨抜きにされた日本車が、トンネルを抜けて新世代に生まれ変わった瞬間でもありました。
そして33年の月日を経て、すべて本は新型デミオで500冊目をむかえました。高校時代から全て愛読してきた筆者的には、感無量でございます。さらに新型デミオは、ベンツCクラスセダンとの激戦を制して、栄えある日本カー・オブ・ザ・イヤー(COTY)を受賞したのですから、本当に素晴らしい!
数年前からマツダは、スカイアクティブ技術の「限界を決めない」「原理原則に立ち返って理想を追求する」という基本方針のもと、会社の命運をかけて開発の変革を実践してきました。その真価を問うべく、今回4代目となる新型デミオではブラットフォームからエンジンまで新規に開発。
進化を続ける「魂動デザイン」と「スカイアクティブ技術」をフルに注入して、コンパクトカーの常識を超えたデザインと性能を実現したのです。
■「魂動デザイン」と「スカイアクティブ技術」が織り成す一体感
開発責任者の土井主査は、新型デミオで「コンパクトカーの常識超え」を目指しました。筆者なりの解釈は「最新の魂動デザインとスカイアクティブ技術を導入して、欧州車に勝る走りと国産車に匹敵する燃費を両立した上質コンパクトカーを目指す」ということ。そのため、コンパクト・プラットフォームと1.5Lディーゼルターボを新規に開発。そしてクラスを超えた存在感とロングドライブでも疲れない骨太な走り、更には国産HVに迫る経済性を実現しました。
CX-5以降のマツダ車には一体感がみなぎっていますが、新型デミオではデザインもメカも、更にギューッと凝縮された印象を受けます。それは「魂動デザイン」と「スカイアクティブ技術」の2大戦略をバックボーンとして、各部門が部分最適と全体最適の両面を追求してきた成果だと強く実感した次第です。