■ちゃぶ台返しのコンセプトは「アジャイル」と「愛着」
マツダは「魂動」をデザインコンセプトの中核に置きながら、車種毎にテーマを設定しています。新型デミオのキーワードは、「アジャイル」と「愛着」。機敏な軽快感と家族に愛されるデザインを目指しました。そしてグリルラインとヘッドライトの連続的な造形等、新しいデザインにも果敢にチャレンジしたのです。
驚いたのは、役員会が承認したデザイン案に対して、デザイン陣が納得しなかったこと。「これでいいのか?もっと出来るはずだ!」と、自らちゃぶ台を引っくり返して、デザインをやり直したのだから凄まじい。そして遂に、ダイナミックな抑揚と緻密なバランスを両立して、クラスを超えた上質感や品質感を実現しました。新型デミオが醸し出す「いいクルマ感」は、デザイン陣の熱い情熱の賜物だと強く実感した次第です。
(拓波幸としひろ)