トヨタがITS世界会議で人とクルマの協調型自動運転を公開

昨秋公表した「AHDA」(オートメイテッド・ハイウェイ・ドライビング・アシスト)を米国の実際の道路環境に合わせてさらに改良、車車間通信技術無しで時速70マイル(約110キロ)までの自動運転が対応可能となっています。

ITS_TOYOTA

以下の3種のシステムにより、高速道路上で走行レーンや適切な車間距離を維持しながら安全に走行できるように運転を支援します。

DRCC(ダイナミック・レーダー・クルーズ・コントロール)
LTC(レーン・トレース・コントロール)
HMI(ヒューマン・マシン・インターフェイス)

トヨタが目指している自動運転は「ドライバーとクルマの協調」。

運転の主役はあくまで「ドライバー」であり、クルマに搭載されたテクノロジーは補助に過ぎないという発想が貫かれています。

ITS_TOYOTA

「HMI」が自動運転から手動運転への切り替えをスムーズに行えるように機能するなど、ドライバーの役割を一定程度残しており、携帯を注視したり、よそ見をすると警告が入るようになっています。

また高速道路上で一般道からの合流地点や分岐点が近付くと、数100m手前からモニターにイラストが表れ、注意を促します。

手放しで運転すると警告が入るのは言うまでもありません。

トヨタは運転をいきなり全自動化するのではなく、少しずつそれに近付けるという現実路線に徹する考えのようですが、新聞報道などによると今後重要となるビッグデータの活用についてはIT企業との間で提携交渉を進めていると言います。

同社は今回公表した「AHDA」に基づく技術を2010年代半ばに米国へ投入する予定。

この記事の著者

Avanti Yasunori 近影

Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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