2011年12月にトヨタがBMWとの次世代リチウムイオン電池の共同研究を発表。
昨年1月の共同記者会見によると、リチウムと空気中の酸素の化学反応を電力とする「リチウム空気電池」の研究で、負極に「リチウム」、正極に「空気」を使用、バッテリーのセル内をリチウムで満たして容量の大きいバッテリーを作るのが目標。
一方でイスラエルに拠点を置く「Phinergy(フィナジー)」社と、アルミニウム関連製品の大手メーカー「Alcoa(アルコア)」社のカナダ法人「Alcoa Canada」の開発チームによって水と空気を燃料にして走行する「空気アルミニウム電池自動車」の開発が進められているようです。
従来のガソリンの代わりに普通の水をアルミニウムと反応させ、その際に生じる電力をエネルギーとして利用するというもので、理論上1600kmもの距離をノンストップで走り続けることが可能と言います。
2017年を目処に実用化を目指しているそうで、この「空気アルミニウム電池」を搭載した車両は既に走行実験を済ませており、ルノー・日産アライアンスがこの技術の採用を予定している模様。
テスト車両のベースとなっているのはトヨタとプジョー・シトロエンが共同開発した「シトロエンC1」(トヨタではAygo)で、テールゲートを開けると黒い横長の電池モジュールが搭載されているのが見えます。
25枚のユニットを繋げたモジュールが上下に2台配置されており、合計で50枚のユニットから構成されています。
電池内部には負極(アノード)にAlcoa社のアルミ薄板が用いられており、これに電解液となる水と、正極(カソード)に空気層を配置した構造。
これにより大幅な軽量化が可能となり、高いエネルギー密度が得られることから航続距離の飛躍的な向上が実現するというもの。
デモ走行では普通の乗用車然とした走りを見せており、燃料となる水を1-2ヶ月に一度ガソリン車と同じ要領で燃料口から補給すればOKとか。
水素を必要とするFCVの上手を行く「空気」と「水」だけで走るクルマが実用化された際には既存の「石油・ガス」業界など、世界の経済地図を塗り替える程のインパクトを与えることになりそうです。
■PHINERGY社 Webサイト
http://www.phinergy.com/
■ALCOA社 Webサイト
https://www.alcoa.com/global/en/home.asp
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【画像をご覧になりたい方はこちら】 https://clicccar.com/2014/06/18/259479/