EVは国内自動車メーカー4社による充電インフラ普及会社「日本充電サービス(略称NCS)」が設立されるなど、充電インフラは地方も含めて徐々に整うでしょう。
一方、究極のエコカーと長年いわれ続けてきたFCV(燃料電池車)は、水素ステーションの設置が大きな課題で、経済産業省も安全性の確保を前提としながらも規制緩和で設置を促していますし、日経新聞によると、トヨタが日米で自前の水素ステーションを整備し、日本では2015年にも5基程度移動型ステーションを用意するという報道もあります。
FCVの場合は自宅などで充電(水素を充填)できませんから、水素ステーションの整備が普及への壁になります。
そして何より、手に届く価格にしないと、一般ユーザーが手を出さないのは当然で、ガソリン車はもちろん、クリーンディーゼル車やハイブリッド車と比べて少し割高でも燃料費が安い、もしくは燃費がいいなどランニングコストのメリットを享受できないとダメでしょう。
そうなると、FCV元年が2014年後半になっても2015年でも現在の水素ステーションが全国で20か所程度では話になりません。
経済産業省、自動車企業、エネルギー企業などは、「2025年にはFCV200万台、商用水素ステーション1000か所の設置」を目標に掲げていますが、減り続けているガソリンスタンドがまだ全国で約3万5000か所あると推定すると、ガソリンスタンドとの併設が増えるのが最低条件で、FCVの航続距離が500km以上といっても利便性を考えると、まだまだ先なのは間違いありません。
(塚田勝弘)