通常はFWDの電気自動車であるが、アクセルペダルを深く踏み込めばエンジンも始動してAWDになる。アクセルペダルをあまり踏み込まない一定速走行でも、ハンドルの裏にあるパドルを操作するとエンジンはかかる。
常時エンジンをかけておくためには、セレクターレバーを左に倒してスポーツモードにすればいい。このときは一番迫力あるエキゾーストノートを愉しめる。
えっ、3気筒なのにと思うかもしれないが、実はリヤバンパー下部の左側には外部スピーカーがあり、アクセル開度、エンジン回転数に見合った排気音を出しているのだ。
そもそもは3気筒エンジンの排気音であるが、その周波数に合わせて排気音を増強する音を造っているのである。シフトダウンしたときにはパン、パンというようなアフターファイアのような破裂音も聞かせてくれる。このときは正にスーパースポーツカーをドライビングしているという気になれる。
軽量ボディなので1485kgしかない。
ライバルの4人が乗れるスーパースポーツカーと比べればわかるが、それらより数百kgも軽い。だから市街地はもちろんワインディングロードを走っていても、軽快感は常に感じる。
剛性が高く軽いCFRPボディのせいか、少し硬い感じの乗り心地や硬い感じのロードノイズが聞こえることはあるが、この感触はi3にも通じるものがある。
前後の重量バランスはBMWらしく50対50に仕上げてあるのは、ワインディングロードを攻めていったときにも、その素晴らしいコーナリング性によって感じることになる。
一般道ではタイヤのグリップ限界に達しないほどオンザレールで走れる。ハンドルを切り込むほどによく曲がるし、アクセルコントロールも効くのでライントレース性も良い。
今回は試していないがDSC(横滑り防止装置)をオフにした場合には適度にテールが流れて愉しめると総合車両実験を担当したルッツ・ローマー氏が語ってくれた。
通常はパワーをかけ過ぎてリヤが流れそうになるとフロントの電気モーターの駆動力を増して自然な感じで滑りを止めてくれるのだ。DSCオフではこれが作動しないし、パワーコントロールはドライバー任せになるからだ。
新しい時代のスーパースポーツカーの誕生である。
【その4】へ続く。
(菰田 潔)
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