BMW i3 に駆け抜ける喜びはある?【試乗その4】

BMW i3 日本上陸【その1】【その2】【その3】から続く。

ハンドリングもさすがBMWと思わせる軽快感だ。

少し背は高いがフロア下に収納されたリチウムイオン電池が重心を下げ、細いが外径の大きなサイズのタイヤが良いグリップをするので、振り回してもなかなか滑り出さないから安心だ。障害物回避のような急激なレーンチェンジでもふらつくことがない。

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極低速領域では、小回りの良さが目立つ。1シリーズでも切り返しをしないと曲がれないような場所でも、簡単に一回で回ってしまう。細いタイヤのお蔭で驚異的な最小回転半径を誇る。

さすがに市街地で乗るのにふさわしい電気自動車であるが、駐車も楽々なので狭いところでも自信を持って入れられるだろう。

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日本仕様は高さ1550mm制限のマンションの機械式駐車場にも停められるように、全高をヨーロッパ仕様より低くしている。これはサスペンションのイニシャルの位置を変えたということで、縮み側のストロークが少し短くなっている。

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もうひとつ日本仕様になっているのは、充電口である。ヨーロッパ仕様は右後ろの蓋を開けて普通充電も急速充電もできるが、日本仕様ではこの場所が急速充電器(CHAdeMO)用の充電口になり、普通充電は前のフードを開けたところにある。前になった理由は、機械式駐車場に停めた場合でも充電できるようにするためだそうだ。横に充電ノズルを差し込むと機械式駐車場の横幅を越えてしまうからだ。

まだまだ世界で充電方法が統一されていない状況だが、BMWは仕向地別にその国の環境に合わせて変えている。

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市街地しか走らない、一日の走行距離が多くないという方はノーマルの「i3」で充分だが、たまには長距離ドライブをするというドライバーにはレンジエクステンダー付きがお奨めだ。滅多にいないだろうが、一日に300km以上走ることが多い方には「i3」は選ばない方が良いだろう。

(菰田 潔)