王道をゆく新型ノア/ヴォクシーが開発で目指した3つの特徴

トヨタのノア&ヴォクシーが、約6年半振りにフルモデルチェンジしました。目指したのは「ミドル級ミニバンの王道」ともいうべき商品力の大幅な強化。新たなパッケージングを採用して「低床化」と「HV化」、更には「ドライビングの進化」に取り組みました。新型ノア&ヴォクシーは、ミドル級ミニバンの新たなベンチマークになるべく開発が進められたのです。

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■開発責任者は2代連続して担当

開発責任者の水澗CE(チーフエンジニア)は、先代から続いて新型も担当しました。先代を知り尽くしているだけに開発目標を、広くて乗りやすい低床化とHVによる圧倒的な低燃費化、そして優れたドライビングに設定。新開発のプラットフォームでは、剛性を大幅に引き上げるとともに、低床フラットフロアと大振りなHVバッテリーの床下収納を実現しました。

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■「表裏ブランド戦略」を更に強調したキャラクター

新型でも、ファミリー志向の優しいノアとラギッド志向の凛々しいヴォクシーという「表裏ブランド戦略」を継承。フロントデザインは、更に2極化させて個性を訴求しています。ボディは共通で、1、2列目のサイドラインを低く取って見晴らしを改善。3列目からはキックアップさせて、サイドビューに勢いを与えています。HV車とガソリン車は、エンブレムやランプ類を差異化して、さりげなく違いを表現しています。

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■低床プラットフォームが商品力の源泉

新型では、低床化とバッテリー搭載をかなえるために、キャビン部分のプラットフォームを刷新。しかも薄くて平らな低床の剛性確保のために、スポット溶接を180ヶ所も追加して、乗り心地とハンドリングを大幅に改善してきました。ちなみにフロント部分を継承してコストを抑えるあたりが、トヨタ流のメリハリですネ。HVではプリウスのユニットを移植して、リーズナブルな価格と優れた燃費23.8km/lを達成しています。

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新型ノア&ボクシーは、なんと先代G’sに匹敵するボディ剛性を確保しているとのこと。実際に運転した時、ハンドリングや乗り心地の良さに、思わず「イイネ」と呟いていました。「いいくるまをつくろう!」とはモリゾウ社長の決めセリフですが、いよいよミニバンにも、その考えが拡がってきたと感じた次第です。

(拓波幸としひろ)

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