TPP交渉閣僚会合が2月22日~25日の4日間に渡りシンガポールで開催されました。
日本からの輸入車に対して米国がかけている関税の撤廃時期が現在も不透明な中、米国側は今回の会合で日本が米国からの農産品にかけている関税撤廃と同タイミングで撤廃する条件を提示したそうです。
産経新聞によると、米国は日本の重要5分野(米、麦、砂糖、牛/豚肉、乳製品)を含む農産品に対して最長20年の猶予期間を設けて関税を撤廃する案を提示した模様。
日本の農産品の市場開放と引き換えに輸入車の関税を撤廃する戦術に出た形。
日本からの輸入車への関税を出来るだけ長く残したい米国側と、米国からの重要5分野を含む農産品への関税を死守したい日本側。
両国が共に痛みを伴う関税撤廃品目について米国側が同時撤廃を提案した訳ですが、既に米国での現地生産化が進んでいる自動車と、米農産物への関税撤廃というトレード案では日本側の分が悪いのは明白。
日本は死守したい重要農産物5分野を細かく分けた586品目について一部の関税を撤廃または引き下げる譲歩案も検討しているようですが、全面的な自由化を強く要求する米国側と折り合えず、協議が行き詰っている模様。
おりしもオバマ政権は中間選挙を今年の11月4日に控えており、米国側はそれまでにTPP交渉で日本から良い条件を引き出して米国内で成果をアピールしたい思惑も。
ただ交渉が成立してもTPP参加国の承認も含めると協定発効は2016年となりそう。
■TPPに絡む今後のイベント(産経新聞より)
4月下旬 オバマ米大統領来日、安倍晋三首相と会談
5月17、18日 APEC貿易相会合(中国・青島)
11月4日 米中間選挙
11月10、11日 APEC首脳会議(中国・北京)
政府は日本の農産物への影響の大きさから、現在までのところ米国の強硬な要請に屈しない姿勢を貫いていますが、今後の落とし処が見えないだけに引き続き本年もTPP交渉から目が離せない状況が続きそうです。
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