気になったものを自動撮影するウェラブルムービーカメラがもたらすもの【動画】

いつかヒトがこれを使う日が来るんだろうか?

2007年にiPhoneが登場したとき、私にはその価値がわかりませんでした。そこからなにが起こるのか、まったく想像できませんでした。そして私は2011年にiPhoneを買いました。もちろんその価値を理解したから買ったんですが、それから3年が経過し、いま私は3年前には想像もしていなかったような用途にもiPhoneを使っています。

心拍数を測ったり、虫の名前を調べたり、音声コントロールでメモをとったり。スマートフォンに限った話ではなく、この数年で人間が電子デバイスを使って「できること」「できないこと」が大きく変わりました。SFにも出てこなかったような、少し前だったら想像もできなかったことができるようになっていることは実感しているかたも多いでしょう。

そしてこんなデバイスも登場しています。

 Wearable_Camera_01

いわゆるウェアラブル(身につけることができる)カメラの試作品です。neurocamという名前らしい。iPhoneと接続させて使うようですが、おそろしい(?)機能を持っています。人間の脳波を検知して、「気になる度」が高まったときだけ、5秒間GIF動画を撮影するというものです。

 Wearable_Camera_02

これほしいですか? 個人的には(今は)ぜんぜんいらない。たしかに、日常生活のなかで「いま見たものを記録できていたら!」と思うことはあります。スマートフォンが普及したとはいえ、カメラを起動しても間に合わないことはよくあるでしょう。そんなとき「いまのが撮影できていたら」と思うことはあるわけですが、こんなもの四六時中頭につけて歩くなんてあまりにも非現実的です。ある特定のシチュエーションに限って使うとしても、いまのところ用途が見つからない。

でもね、ウェアラブルデバイスってこれからものすごく進化する可能性があると思うんですね。あるていど普及すれば、できることがどんどん増えて、おそらく現時点では想像もできないような使いかたができるようになってくる。そうなったら僕もウェアラブルデバイスを身につけるようになるかもしれない(もっと小型化されてほしいですけどね)。そうしたらこの機能を使うことも考えられます。じっさい僕は去年クルマをぶつけられてからドライブレコーダーをつけたりもしてるし(笑)。

でもこんなデバイスが普及したら、いろんな過去を水に流せなくなりますよね。徐々に美しい思い出へと変わっていくはずの体験もナマナマしいまま残ることになるし。昔だったら忘れればよかったものが膨大なデータとなって残ることになる。いままで大切にされてきた「その瞬間」がこれまでほど大切じゃなくなるかもしれないし、「経験」や「知識」よりも、「選別」や「検索」といった技能が圧倒的に重要になってくる。価値観や常識が大幅に転換するんじゃないかと思います。そういう面で、昨今の電子デバイスの技術革新には、ちょっと薄気味悪さを感じます。

とはいえ、技術の進歩を否定する気はさらさらないし、そもそも不可能だと思うんですよね。個人的には、機能に使われることがないように、使いこなしてやる、という攻めの姿勢でいきたいと思います。

思わずそんな決意をしてしまうほど、衝撃的な機能のデバイスでした。

(まめ蔵)

この記事の著者

まめ蔵 近影

まめ蔵

東京都下の農村(現在は住宅地に変わった)で生まれ育ったフリーライター。昭和40年代中盤生まれで『機動戦士ガンダム』、『キャプテン翼』ブームのまっただ中にいた世代にあたる。趣味はランニング、水泳、サッカー観戦、バイク。
好きな酒はビール(夏場)、日本酒(秋~春)、ワイン(洋食時)など。苦手な食べ物はほとんどなく、ゲテモノ以外はなんでもいける。所有する乗り物は普通乗用車、大型自動二輪車、原付二種バイク、シティサイクル、一輪車。得意ジャンルは、D1(ドリフト)、チューニングパーツ、極端な機械、サッカー、海外の動画、北多摩の文化など。
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