歴代スカイラインシリーズ第2弾は、「Rシリーズ」ことR30~R34スカイラインを紹介したいと思います。
今でこそスカイラインは、6気筒ガソリンエンジンメインの印象ですが、直4ターボが「スカイライン史上最強」を名乗る世代もありました。またGT-Rが3世代に渡って君臨するなど、ニュースも目白押し。まさに「Rシリーズ」では、スカイライン・オーナーの人数だけコダワリがあったのです。
■6代目R30 「ニューマン・スカイライン」(1981~1985)
R30では、直4と直6に関わらずロングノーズボディに一本化すると共に、サーフィンラインも廃止したため、大いに「こだわり論争」を呼びました。エンジンでは、先代ジャパンから直6SOHCターボを引き継ぎつつ、新たに排ガス規制をクリアした直4DOHCの「RS」を送り出しました。また後期型では「スカイライン史上最強」と銘打って、直4DOHCターボを搭載した「ターボRS」を追加。更には、インタークーラーで205馬力を絞り出した「鉄仮面」も人気を集めました。
■7代目R31「直6の名機、RB型エンジン登場」(1985~1989)
トヨタ・マークⅡ兄弟が仕掛けたハイソカーブームの到来を受け、R31スカイラインは高級志向へ大きくシフトしました。長いホイールベースとワインレッドの内装が、当時の開発コンセプトを物語っています。またGT系の直6エンジンは大進化を遂げ、待望のRB型が投入されました。SOHCからDOHC、DOHCターボまで、充実のラインナップを形成。4輪操舵のハイキャスも大いに話題を呼びました。また2ドアのGTS系で走りを訴求するところが、スカイラインらしいところでした。
■8代目R32「超感覚スカイライン」(1989~1993)
当時日産は、セフィーロとローレル、そしてスカイラインの3兄弟でハイソカー市場を包囲する戦略を立案。中でもR32スカイラインが担うキャラクターは、際立った走りの性能でした。そこで室内空間を犠牲にしてもコンパクト化を優先すると共に、贅沢な4輪マルチリンクサスを採用。「超感覚スカイライン」のコピー通り、正確で爽快なハンドリングが最大の特徴でした。更には直6・2.6Lツインターボと可変4WDで武装したR32GT-Rが、超絶性能で復活し、レースで新たな伝説を打ち立てました。
■9代目R33「ゆとりの3ナンバー・スカイライン」(1993~1998)
R32では走りで非常に高い評価を得たものの、歴代のファンやファミリー層から「室内が狭すぎる」という苦言も寄せられました。そこでR33スカイラインでは、ホイールベースと車幅を拡大して居住性を大幅に改善。走りと居住性の両立を目指したものの、3ナンバーの大柄ボディとコンサバなデザインは賛否両論で、評価は分かれたようです。一方R33GT-Rは、ニュルのタイムアタックで8分を切るラップタイムを記録。なんとR32GT-Rより21秒も速いタイムで、ニュルを駆け抜けたのです。
■10代目R34「高剛性・ドライビングボディ」(1998~2001)
セダン市場がミニバンに食われて縮小する中、R34スカイラインは走りを訴求する戦略に回帰。ホイールベースを縮めて剛性を大幅に強化した「ドライビングボディ」を採用し、走りを大幅に進化させました。デザインでは、ヘッドライトの造形に「ハコスカ」のイメージを感じます。またR34GT-Rは、Rシリーズ最強のGT-Rとして、チューン志向のユーザーに強く支持されました。しかし縮小するセダン市場に飲まれ、スカイラインも販売を改善させることができませんでした。
「Rシリーズ」を振り返ると、あまりに速い市場変化にあらためて驚かされます。また倒産寸前の日産がルノーの資本を受け入れたのは、R34を発売していた1999年だったのですね。そしてスカイラインは、「Vシリーズ」に引き継がれていきます。そこで次回は、全てを一新した「Vシリーズ」について紹介したいと思います。
(拓波幸としひろ)