【ノスタルジック2デイズ】40代のための刺さるクルマその③スカイライン・ジャパン・ターボGT-EX

当時雑誌でしか知らなくて実感としてはなかったんですが、「排ガス規制以降の日本車」ってのはとことんダメな印象を植え付けられ、実感がない分、よりいっそうダメなんじゃないか?というイメージは膨らんでました。

そこへ来て、セドリック/グロリア通称430セドグロに日本の市販車初となるターボ車が登場したじゃないですか。あのころはパワーを出すだけでも運輸省がよく思っておらず、苦肉の策で「省燃費ターボ」として型式認定に漕ぎ着けた、とやっぱり雑誌に書いてあったのを鵜呑みにしました。

当時はパワー競争のためだったのに省燃費というのはやっぱちょっとムリがあったとも思いますが、最近のフォルクスワーゲンTSIエンジンのように、排気量を下げて過給するってのは正しかったんだと思います。ただ、そのためのガソリン冷却などはちょっと、ね。

と、そんなこんなで、雑誌に踊らされながら、その後追加されたスカGターボには、さらに小躍りしちゃってました。

で、ちょうど家のクルマ、20カローラが買い替えの時期に当たったんですよ。なんとかオヤジにスカイラインを買ってもらえないか、とムリ言ってプリンス店に行きましたよ。カタログももらいましたが、宝物でしたね。当時はカタログも高くてディーラーさんも無闇にはくれなかったんです。ま、それで生まれたのが「すべてシリーズ」のひとつのコンセプトである「縮刷カタログ」だった、とは入社してから聞きました。

なので、スカイライン・ジャパンのことは記憶に残ってますね。

パワーウインドウが付いているのは、

このようにバッジが金地になる「EX」のグレードだけだったんですよね。

もっともスポーティなGT-ESは下級グレードと同じ手回しウインドウだったので、走りを取るべきか、快適を取るべきか、どちらにすればいいのか真剣に悩んだものです。

本当にいい音が何かとかわかったないのに、パイオニアのスピーカーTS-X11が付いていれば間違いない!と思ってました。

涙が出そうです。当時のやたらと高音が響いていたのが耳に蘇ります。

ホイールや排気系が純正でないですが、かなりノーマル部分を残したこのジャパン・ターボ、総額でも200万円しないのなら、かなり現実的に憧れのクルマのハンドルを初めて握ることができそうです。

あ、初めてってのは、やっぱり20カローラの我が家の後継車は70カローラへと順当に切り替わったわけでした。ちなみに、当時もらったというカタログも1800のTIシリーズだったんですけどね。

(小林和久)

この記事の著者

編集長 小林和久 近影

編集長 小林和久

子供の頃から自動車に興味を持ち、それを作る側になりたくて工学部に進み、某自動車部品メーカへの就職を決めかけていたのに広い視野で車が見られなくなりそうだと思い辞退。他業界へ就職するも、働き出すと出身学部や理系や文系など関係ないと思い、出版社である三栄書房へ。
その後、硬め柔らかめ色々な自動車雑誌を(たらい回しに?)経たおかげで、広く(浅く?)車の知識が身に付くことに。2010年12月のクリッカー「創刊」より編集長を務める。大きい、小さい、速い、遅いなど極端な車がホントは好き。
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