アウディA3セダンの登場秘話、実は日本発のアイデアだった!?【試乗01】

みなさんはアベノミクスの恩恵を感じてますか?まったくもって……という人がほとんどかもしれませんが、高級車販売実績を見ると景気がよくなっている人も少なくないみたいですね。

そんな人たちに、相変わらず高い人気なのがアウディ。そのアウディから「A3セダン」と呼ばれるモデルが登場しました。

アウディA3 セダンのポイントといったら、そりゃあもう「小さめのセダン」ってことに尽きます。誰がなんと言おうと、です。オシャレな輸入セダンを買おうと思っても、定番のBMW・3シリーズやメルセデスベンツ・Cクラス、そしてアウディ・A4は日本で乗るにはちょっと大きめ。それらが“小型”だったのは過去の話で、モデルチェンジごとにボディが拡大し続けた結果、今やどれもが立派な“中型セダン”になってしまっていますからね。

そこで出番なのが、アウディA3 のセダン版となる「A3 セダン」っていうわけです。

Audi A3 Tokachi 07   

ボディサイズは全長4465mm×全幅1795mm。さすがに5ナンバーサイズというわけにはいきませんが、短めの全長と1.8mを割り込む全幅なら駐車場に入れるのだってそれほど苦にはなりません。こんな輸入プレミアムセダンを待っていたという人、実は多いんじゃないですか?

エンジンラインナップは4種類。全車ターボで、排気量は1.4L(標準仕様と気筒休止機構付の2タイプ)、1.8L、そしてスポーツモデル「S3」用の2.0Lがあります。意外に排気量が小さい? それは欧州のトレンドである「ダウンサイジングターボ」の理論に基づいているから。排気量を小さくして効率を高めつつ、ターボで必要な力を得るという考え方なのです。

Audi A3 Tokachi 43

実はこのA3セダン、あくまでアウディジャパンの商品企画担当者がこっそり教えてくれた話によるとですが、アイデアは日本発なのだとか。「A4が大きくなりすぎちゃったから、ひとまわり小さいセダンを出してくれ!」と本社に要望を出していて、その回答として開発されたのだとか(まあ100%日本からの要望だけで作られたというわけでもないとおもいますが)。

日本におけるライバルはやっぱりメルセデスベンツのCLAになると思います。値段もA3セダンの325万円からに対し、CLAは335万円からとかなり近いですし。どっちを選ぶか? チャラい雰囲気はCLAの圧勝ですが、後席居住性はA3セダン有利。つまりセダンとしての芯の強さはA3セダンのほうが上ですよ、っと。 

Audi A3 Tokachi 08Audi A3 Tokachi 09

 (工藤貴宏)

この記事の著者

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工藤貴宏

1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに執筆している。現在の愛車はルノー・ルーテシアR.S.トロフィーとディーゼルエンジンのマツダCX-5。
AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。
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