キャンピングカーで「一番欲しい装備は?」という調査を行うと、ソーラーパネルが一番人気になるようです。キャンピングカーの場合は、車中泊時などの電力源として期待する人が大半ですが、太陽光発電で走るEVといえば、某テレビ番組で日本を一周した軽バン、ソーラーパネルを搭載した軽キャンパーEV(三菱自動車のMiEV)で全国を旅している猛者もいます。
フォードがラスベガスで開催されている「International CES1014」で披露したのは、C-MAXをベースにしたプラグインハイブリッドで、ルーフの上にはソーラーパネルが搭載されています。
「C-MAX Solar Energi Concept」は、サンパワー社との共同プロジェクトにより生まれたコンセプトカー。プラグインハイブリッドとしてのトータルの航続距離は620マイル(約998km)で、太陽光発電によりバッテリーに貯めた電力のみで約21マイル(約33.8km)の走行も可能で、年間で4tもの温室効果ガスの削減ができるとのこと。
EVはゼロエミッションではありますが、火力発電を使えば「Well(油田)to Wheel(ホイール)」で考えるとロスが大きく、環境への負荷も少なくないという指摘があるとおりで、ほぼ原発が止まっている現在の日本ではより当てはまる状況です。
じつは太陽光発電でクルマを走らせるには、長時間の発電が必要なうえに走行距離もかなり短くなってしまいますが、充電可能なプラグインハイブリッドにすることで1000kmに迫る走行距離を確保しながら、近所の買い物や送迎程度ならソーラー発電のみで済むという試みはなかなかユニーク。
晴天率の高い国や地域などでは意外と現実的な選択肢といえるかもしれません。
(塚田勝弘)