10月中旬に東京ビッグサイトで開催された「第20回ITS世界会議 東京2013」以降、「自動運転」に関する話題を目にする頻度が増えてきました。
11月9日に安部首相が自動運転システムを搭載した自律走行車に同乗して国会議事堂周辺の公道を走行する様子がTVニュースで放映されたのは記憶に新しいところ。
トヨタ自動車は2010年代半ばを目標に高速道路での自動運転システム実用化を目指しており、国土交通省の承認を得て2年前から公道での実証試験を実施中。
今年10月には実際に公道を自律走行する様子を報道陣向けに公開しました。
一方、2020年までに自律走行車の市販化を目指す日産もトヨタに続いて11月25日に公道を使った実証実験を報道陣に公開。
取得済みの相模ナンバーを付けた「リーフ」で「さがみロボット産業特区」内の自動車専用道路(さがみ縦貫道路)3.2km区間を黒岩知事同乗のもと、自動運転を披露。
同車は5つのレーザースキャナーと、5つのカメラを用いて周囲360度の状況を常時把握し、他の車に遭遇すると、AI(人工知能)が相手の動きを読み、その場に応じた適切な行動ルールを蓄積された知識の中から選び出すことが可能と言います。
今回、高速道路の入り口から出口まで全てを自律走行して「車線内走行・車間距離制御」や「自動合流・自動分岐」、「自動車線変更」等を実演。
時速60kmで走行中の前走車に遭遇した際、自動でウインカーを出して車線変更、時速80kmまで加速してドライバー操作無しでの追い越しも披露。
試乗した黒岩知事は「高齢化社会が進む中、安全に走行出来る自動運転が一般的になれば事故が減るだろうと実感した」とコメント。
日産では複数の車種で同技術を実用化予定で、2020年以降、多くのモデルに搭載することを目標としています。
日経新聞によると、実証実験に参加した日産の志賀副会長は「単調な運転が続く高速道路での自動運転は特に有効」、「データを収集して自動運転技術に於ける想定外を無くす」と説明。
同社は2020年の市販までに同地区で実験を繰り返して自動運転技術の信頼性向上に繋げる考え。
米国ではGoogleが早くからカリフォルニア州で自律走行車の公道実験を実施しており、これまでに50万km近くを無事故で走破するなどの実績を積み上げています。
実証実験はAIの経験値を高めるのに不可欠なだけに、自律走行車を開発する各社が今後何処まで「想定外」を潰し込めるかが、市販化に向けた大きな課題となるのは間違い無さそうです。
■国土交通省 オートパイロットシステム検討会
http://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-council/autopilot/
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