Monozukuri(ものづくり),Takumi(匠)! 東京モーターショーの前夜祭「モビリティスケープトーキョー」初開催

東京モーターショーの主催である日本自動車工業会(会長:豊田章男)は、第43回東京モーターショー2013の開幕前日となる11月19日に「Mobilityscape Tokyo」と題したイベントを開催しました。

今回、初の試みとなった、このイベントは国内外2000人以上のプレス関係者を集めて行なわれたものです。

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アメリカのビッグスリーが連続して出展を見送るなど、五大モーターショーのひとつに数えられていた東京モーターショーも、その存在感が小さくなりつつあると心配されています。

東京モーターショーのみならず、東日本大震災から立ち直り、2020年東京オリンピックに向けて変革と成長が期待されている日本の自動車産業を国際的にアピールするのが、このイベントの狙いといえます。

国際的アピールを意識して、イベントは基本的には英語によって進行されました。メインコンテンツとなったのは、日本自動車工業会の正副会長会社5社(トヨタ・日産・ホンダ・マツダ・三菱)のトップによるリレースピーチです。

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各社のトップが、「Monozukuri(ものづくり)」や「Takumi(匠)」といったキーワード日本の伝統的な工業生産における特徴をアピール。

また復興のシンボルとして『奇跡の一本松』を紹介するなど、元気を取り戻すニッポンを世界のメディアにアピールしました。

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5社のトップが一堂に会したトークセッションでは、いまホットな話題となっている自動運転・自律走行と自動車に乗る悦びの両立や、尊敬する経営者、これからの自動車マーケットなどについて話が展開されました。

日本自動車工業会の会長でもあるトヨタの豊田章男 社長は、『交通事故ゼロという自動車メーカー全社の悲願を実現するには自動運転のような技術は重要です。しかし、クルマだけでなく、インフラや歩行者との連携が重要です』と社会全体で交通事故ゼロを目指すことをアピール。そうした次世代の交通インフラは、東京オリンピックの開催される2020年までには、ここトーキョーで見ることができるのでしょうか?

そのほか、印象的だったのは、マツダの小飼雅道 社長兼CEOの『クルマ離れは、魅力的な商品を生み出すことで防ぐことができる』という一言。ものづくりへの真摯な姿勢こそがクルマの魅力を高めるというわけです。

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終了後は会場を移して、海外メディアの歓迎会が行われました。その会場には、サファリラリーを制したフェアレディZやニッポンの環境技術の象徴といえるCVCCシビック、さらにトヨタ2000GT、スズライトといった日本自動車工業会会員14社の歴史的なイノベーションが感じられる車両が展示され、内外のモータージャーナリストがカメラを向け、その熱い視線を集めていたのも、また印象的な出来事でした。

(山本晋也)

この記事の著者

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山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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