トヨタ自動車が11月6日に四半期決算を発表しました。
それによると、第2四半期(7-9月)の連結売上高は約6.3兆円(+16.2%)、営業利益:5,920億円(+73.8%)、営業利益率:9.4%(+3.1%)、純利益:4,384億円(+70%)と前年同期比で大幅増となっています。
これを上半期(4-9月)で見ると、同様に連結売上高が12.5兆円(+14.9%)、営業利益:1.25兆円(+80.9%)、営業利益率:10%(+3.7%)、純利益:1兆円(+82.5%)と、こちらも大幅な増収/増益。
通期見通しについては上表のように売上高を当初の24兆円→25兆円、営業利益を1.94兆円→2.2兆円、純利益を1.48兆円→1.67兆円にそれぞれ上方修正しています。
タイの「自動車購入減税」の終了やインド市場の低迷などでアジア方面の販売台数が減少する一方で、北米市場についてはRAV4やアバロンなどの新型車が販売を牽引して好調に推移。中近東や中南米でも販売台数が増加傾向。
前年同期比で純利益増加分のうち、円安効果が5,400億円と大半を占めており、加えて原価改善努力が1,400億円、営業努力が400億円の内訳になっている模様。
以上のように6年ぶりに営業利益2兆円突破が予想されるなど絶好調の同社ですが、日産の発表と同様にトヨタもインドやタイ、インドネシアといった新興国での新車販売不振を懸念しているようで、アジアでの生産台数を6万台ほど下方修正しています。
また、ベア(基本給アップ)の可能性については「利益が上がれば従業員に還元するのは当然」と前向きな姿勢を示しつつも、トヨタのベアの動きは他企業にも大きな影響を及ぼすだけに、「組合の要求を踏まえ、議論を尽くして具体的な内容について決めて行きたい」(小平副社長)として明言を避けています。
先日も触れたとおり、総務省が軽自動車税などの増税を検討していることから、スズキの鈴木会長が再び「どう考えても弱い者いじめだ」としてこの動きを痛烈に批判。
新聞報道によると、安倍政権が経済界に賃上げを求めていることに対しても、「組合とも話しておらず今はコメントは出来ないが、増税となれば軽の販売がどれだけ落ち込むか判らず、賃上げなんて考える暇がない」としてバッサリ斬っていることから不透明な面も。
ダイハツも同意見を主張しており、自動車業界の「ベア」の行方は今後の自動車税見直しの動きに左右される可能性が出て来そうです。
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