ヨコハマ織戸学が初優勝に輝く DTECは来期の挑戦を誓う!【86/BRZレース参戦記21】

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 今シーズンの最終戦はスタートしました。天気予報が外れて、雨が少しでも降れば、大きな波乱が巻き起こったことでしょう。しかし雨は降りませんでした。

 ポールポジションの谷口選手と、織戸選手、山野選手の3台のマシンが抜け出し、激しいトップ争いを繰り広げます。スタートを決めたのは山野選手で、それを谷口選手、織戸選手が追いかける展開です。しかしツインリンクもてぎのコースでは、そう簡単にオーバーテイクできません。ボディを接触させながらコーナリングするような、超接近戦が繰り広げられていきます。

 5周目に山野選手のオーバーテイクに失敗した谷口選手が失速、2位に織戸選手が入れ替わります。そして8周目、ついに山野選手を交わして織戸選手がトップに立ちます。そのままチェッカーフラッグを受け、織戸選手はもちろん、ヨコハマタイヤにとっても、86/BRZレース初勝利となりました。そもそもブリヂストンタイヤ以外が勝利したのは、初めてです。

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DTECチーム・マスターワンは、シーズンでワーストとなる23番グリッドからのスタートでした。中段からのスタートはアクシデントに巻き込まれる可能性が高くなってしまいます。ツインリンクもてぎのコースは、全体的にコース幅が広く、1~2コーナーは2台が並んで走ることも可能です。それだけにアクシデントに注意しなければなりません。

 しかしレースでは軽い接触は何カ所が起きていたようですが、大きなアクシデントにはならずに進行していきます。

 本来、スタートが得意の坂本選手でしたが、今回は大きくジャンプアップすることはできず、1周目を終えて22位でした。そこから着実に順位を上げ最終的には18位でフィニッシュしました。オーバーテイクが難しいコースだけに、大幅に順位を上げることはできませんでした。

 レース中のラップタイムはトップグループと大きく変わらないレベルだったので、予選順位さえもう少し前だったら、結果は大きく違った可能性もある。そういうレースがいくつもあった。結果としてシリーズランキングは14位に終わった。

 今シーズンの戦いを振り返って、額田プロジェクトリーダーは「これがオレたちの実力だった、ということでしょう。クルマとしても、チームとしても、もっと前へ行けなかったか? 充実した苦しい1年でした。このままでは終われないし、来年さらに挑戦し続けたいと思います」と締めくくってくれた。 

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(岡村 神弥)