ボルボカーズの2リッター4気筒エンジン「e-ドライブ」ファミリーはガソリン、ディーゼルともにラインナップする新世代パワートレインですが、その性能をアピールするのに、ボルボは『CO2排出量あたりの馬力』という基準を用いています。
CO2排出量は、燃料による違いはあれど、すなわち燃費性能といえますが、エミッションを改善するためにパワーを絞るというのでは単なるエコ・エンジンでしかありません。ボルボが主張する『CO2排出量あたりの馬力』とはパフォーマンスとエコロジーのバランスがとれたエンジンであることの目安であり、「e-ドライブ」のトップレンジを搭載するS60 T6では、その数値は”2.0”を上回っています。これは、このセグメントでは最優秀な数値ということです。
具体的には、ターボ&スーパーチャージャーのツインチャージにより306馬力を発生するエンジンに8速ATを組み合わせたボルボS60 T6のCO2排出量は149g/km。CO2排出量1グラムあたりの馬力は「2.05」となっています。
ちなみに、同じく「e-ドライブ」のディーゼルでは、最高出力181馬力、CO2排出量100g/kmなので、CO2排出量あたり馬力は「1.81」となります。
このボルボの計算は、EUの測定モードによるものですから直接比較はできませんが、同じ計算を国産車のスペックで行なうと、どうなるでしょうか。
まず、ハイパフォーマンスカーの代表として日産GT-Rで計算してみましょう。
GT-Rは505馬力で、CO2排出量は267g/kmですから、「1.89」。
省燃費カーの代表といえば、最良の燃費性能を誇るホンダ・フィットハイブリッド。
こちらは、システム出力137馬力で63.8~73.9gなので、「2.15~1.85」といったところ。
ディーゼル代表は、マツダ・アテンザXD。
最高出力175馬力、CO2排出量117~131g/kmですから「1.50~1.30」 となります。
これらは、あくまで一例ですが、愛車や気になるモデルの『CO2排出量あたりの馬力』を計算することで現代的なパフォーマンスと環境性能のバランスが見て取れるのかもしれません。まずはボルボが主張するように「2.0」を超えているかどうかが判断基準となりそうです。
■関連記事
燃費No.1新型フィットを祝して「価格あたりの燃費」考えてみた
https://clicccar.com/2013/08/16/227859/
(山本晋也)