F1日本GPの楽しみ方

F1日本GPが今週末(10月12日予選、13日決勝)に迫っています。10月6日に決勝が行われた韓国GPから間を置かずに開催される鈴鹿は、25回というメモリアル大会。今回、何をさしおいても注目は、王者セバスチャン・ベッテル(レッドブル)でしょう。ここまで4連勝と絶好調で、タイトル4連覇をもほぼ手中に収めての来日です。圧倒的強さを誇る彼とレッドブルに、フェルナンド・アロンソ(フェラーリ)、キミ・ライコネン(ロータス)といったライバルたちがどう挑むのか、一瞬も目を離せないバトルが今から楽しみです。

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さて、そうはいいつつ、現在のF1を取り巻く状況はファンにとっては少し悲しいことになっています。かつてはこの時期になるとフジテレビは特集などを組んでF1日本GPを煽ってくれたもの。ところが、フジテレビは2012年に地上波での放送から撤退。日本の秋の風物詩にもなっているF1日本GPを観る機会は大幅に減ってしまいました。

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思い起こせばセナ・プロ時代、マンセルの覇権、中嶋の挑戦と亜久里の歓喜……、コアなファンでなくともテレビで応援したことを覚えていることでしょう。バブルといえばそれまでですが、あの頃のF1は独特の熱気を帯びて社会現象ともなっていました。その余波が今のF1人気を支えていることも間違いありません。

そして、そんなF1の人気はしっかりと根付いています。

その証拠に専門誌「F1速報」の電子書籍が販売数を伸ばしています。電子書籍は比較的年齢層の高いユーザーに好まれる傾向があり、読者の多くはF1ブームのときに青春を謳歌したひとたちです。また、紙の雑誌では絶版になってしまった古いバックナンバーが継続的に売れるのも電子書籍ならではといえます。

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なんてことをいいつつ、F1を過去のものにしてはいけません。地上はでは放送しないだけで、BSなら視聴できるし、もとより鈴鹿で生でという最高の観戦方法があるのです。来年からはエンジン規格が変わるので、V8の甲高いエキゾーストを聞けるのは最後のチャンスになります。是非生で観戦をしたいですね。

ところで、BSで観るにせよ鈴鹿で応援するにせよ、観戦前にF1日本GPのこれまでの流れを予習することをおすすめします。

日本GPの歴史を知ると知らずではその楽しみ方には大きな差が生まれるのです。もちろん、ずっと注目してきた方も少し遠くなった記憶を振り返っておいてはいかがでしょうか。

歴代の王者は鈴鹿をどう攻略した? 日本人が表彰台に上ったのはいつ? ベッテルの前に4連覇を果たしたのは誰、どのぐらいすごいことなの? F1のエンジンはどんな変遷を経て今のV8にたどりついたの、そしてどんな特性を持っているの? などなど、日本GPの楽しみ方、観るべきポイントもぐっと増えることでしょう。

しかし、参考になるような古い本はとっくのとうに絶版か売り切れ……手に入るはずがない?

ところが、上に書きましたように電子書籍なら売っているのです! 先日オープンしたばかりの電子書籍販売「20世紀堂書店」では、古い本を中心に取り扱っています。そして電子書籍は売り切れがありません。 

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http://20c.as-books.jp/

現在、奇しくも“いよいよ開催! F1日本GP特集”を展開中で、「F1速報」や「日本の名レース100選」をはじめ、これまでの日本GPに関する号を集めてお求めやすくなっています。

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http://20c.as-books.jp/special/?no=1

そしてなんとこの書店、すべての雑誌が全ページプレビューできるのです。のぞいてみるだけでもけっこう楽しめます。

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Wikipediaを眺めているだけでは、決して頭に入ってこない、色あせないヴィヴィッドな情報群に触れることができる、とてもステキな空間です。もちろん、購入した本はスマホやタブレットで持ち歩くことができるから、いつでもどこでも読むことができます。

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一度読み始めてしまったら、それぞれの年のレース展開と鈴鹿王者の系譜をたどりながら、楽しくて眠れない夜を過ごすことになりそうです。こうなったらもうあきらめて、この秋の夜長をF1日本GPの予習に費やすのはいかがでしょうか。

(須賀屋)

この記事の著者

編集長 小林和久 近影

編集長 小林和久

子供の頃から自動車に興味を持ち、それを作る側になりたくて工学部に進み、某自動車部品メーカへの就職を決めかけていたのに広い視野で車が見られなくなりそうだと思い辞退。他業界へ就職するも、働き出すと出身学部や理系や文系など関係ないと思い、出版社である三栄書房へ。
その後、硬め柔らかめ色々な自動車雑誌を(たらい回しに?)経たおかげで、広く(浅く?)車の知識が身に付くことに。2010年12月のクリッカー「創刊」より編集長を務める。大きい、小さい、速い、遅いなど極端な車がホントは好き。
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