次のアイサイトは先行車のブレーキランプも認識【次世代アイサイト02】

ステレオカメラ画像のカラー化や40%にもなる広角、望遠化により大幅に性能アップを果たすスバルの次世代アイサイト。現在のver.2でも10万5000円という手の届きやすいオプション設定で、いまや15万台、装着率は約8割に達しています。

new_eyesight_12

また、アメリカの「IIHS(米国道路安全保険協会)」による評価でもアウトバックとレガシィが最高の6つ星を唯一獲得するなど、第三者機関でも高い評価を得ています。

new_eyesight_06

次世代アイサイトは、従来の「走る」、「止まる」に加えて、「曲がる」という操舵制御を実現したことで、車線中央維持と車線逸脱抑制を実現するのは既報のとおり。

new_eyesight_07

ほかにも性能向上は著しく、まず「ぶつからない」機能であるプリクラッシュブレーキは、ボルボの「シティ・セーフティ」と同様に自車と対象物との相対距離を30km/h〜50km/hに向上させています。

new_eyesight_08 new_eyesight_11

同時に、ステレオカメラ画像のカラー化により先行車のブレーキランプの点灯状態を検出。全車速追従機能付クルーズコントロール(ACC)で先行車についていく場合、従来よりも早めの減速が可能で、安心感も高めているそうです。

これなら現在のver.2で感じる「結構ぎりぎりまで減速しないな」というフィーリングも解消されるはず。広角化により前方の割り込み車両の認知も高まるなど、自然な加減速に期待が持てます。

また、冒頭で記したステレオカメラの性能向上により、クルマや建物の影から歩いたり、小走りに飛び出してきたりした歩行者などをより早い段階で認識し、制御することで横断者などとの衝突回避性能を高めているのも朗報。

new_eyesight_10

さらに、ペダルの踏み間違いによる事故を防ぐAT誤発進抑制機能を従来の前進だけでなく、バック時にも採用。しかも後退時にはユーザーが選択できる定速速度上限のリミッターも備わりますから、後退時はラフなアクセル操作でも一定速度で走行できるというメリットもあります。

新機能はまだあり、先行車などの前方障害物と衝突する可能性が高いと判断すると、VDC(横滑り防止装置)の特性を変更し、VDCトルクベクタリング制御によりドライバーの衝突回避操舵をアシストする「危険回避アシスト」も搭載。新型ゴルフの「ドライバー・ステアリング・リコメンデーション」などにも似ていますが、ヨーレートセンサーやトルクベクタリングを採用することで安全性向上も図っています。

しかも次世代アイサイトは、従来の雨天時や逆光時などでの自動停止といった弱点も克服すべく手を打つようですから期待大です。

(塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
続きを見る
閉じる