前回ご紹介した奥尻島ドライブルート。今回は、その主な観光スポットに焦点をあて、ランキング形式ではなく奥尻港を起点としたドライブルートに沿って、反時計回りにご紹介します。
奥尻島を1周する道道39号線は、外周約65km。おおむね海岸に沿っているのですが意外とアップダウンやカーブが多く、また、バイクツーリングやサイクリングを楽しむ旅行者もいるので運転には気をつけましょう。
1*宮津弁天宮(奥尻島指定有形文化財)
海に突き出た岩山のような弁天岬の頂上に鎮座。1831年(天保2年)、島民が大漁祈願の御神体として弁天様をここに奉納したのがはじまりです。道道39号線の駐車場(トイレあり)から行くには、急勾配の階段をV字に下りて上るという、見ただけで躊躇してしまいそうになるが眺めは素晴らしい。宮津漁港からも参道があり、そちらから行くと階段の量は半分で済みます。【宮津】という地区の名前はアイヌ語のチャシ・コツ(砦の跡)からきているそうです。
写真1枚目:駐車場からの参道 2枚目:拝殿 3枚目:拝殿前からの眺め
2*稲穂岬/賽の河原
道南五霊場のひとつ、賽の河原を有する稲穂岬。周囲約6ヘクタールにわたって石積みがなされています。その反面、公園にはトイレ/シャワー/炊事場などの設備があり無料キャンプ場としても人気のスポット。駐車場に面した漁師直営の直売店兼食堂【北の岬さくらばな】では新鮮魚貝類や水産加工品などを販売、食堂は地元の方もよく利用されているほどお墨付きの味です。稲穂岬灯台からの眺めも抜群。
写真1枚目:トイレとシャワー 2枚目:芝生広場パノラマ 3枚目:賽の河原まつり(6月下旬)
3*球島山展望台
奥尻島内では神威山(584.5m)勝潤山(427.7m)に次いで3番目に高い球島山(369.3m)。頂上は展望台になっていて、対岸の檜山沿岸、ニセコ連山、駒ヶ岳、松前沖の大島・小島などを一望できる360度パノラマが広がっています。春には桜やツツジ、秋には紅葉が見事です。駐車場10台分程度、トイレなし。
写真1枚目:球島山頂上 2枚目: 頂上からの眺め
4*復興の森
ナラやミズナラの森が広がる国有林。砂利の駐車スペースあり。総面積約11万ヘクタール、歩きやすい遊歩道が整備されているので、1時間ほどの森林浴が楽しめます。ログハウス(管理棟)や炭焼き小屋などは閉まっていて、簡易トイレが1個あるだけで手洗い場などもありません。
写真1枚目:散策路 2枚目:ギンリョウソウ(6月下旬) 3枚目:狸も出没
5*神威脇/北追岬公園(フットパスDコース)
散策路、パークゴルフ場、無料キャンプ場を要する広大な公園で、彫刻家・流政之氏の作品があちらこちらに建立されています。キャンプ場へは乗用車でしか入れず、しかも道幅が狭く待避所もないので離合は困難です。公園入口の駐車場から徒歩10分くらいでしょうか、決して広くはありませんが眺めは最高です。トイレは2カ所あり。キャンプ場にはゴミ箱もあります。
写真1枚目:公園のシンボル、流政之氏の彫刻 2枚目:パークゴルフ場 3枚目:キャンプ場 4枚目: 公演から見た神威脇漁港
神威脇といえば温泉。日帰り入浴は、神威脇温泉保養所(大人420円/子ども160円)と奥尻湯ノ浜温泉ホテル緑館(800円)で可能です。
また、奥尻湯ノ浜温泉ホテル緑館の裏手には特産の奥尻ワインの原料でもある葡萄畑があり、隣接する奥尻ワイン工場で限定品の販売や試飲も行っています。
ブナ林で覆われている奥尻島は島なのに真水が豊富に湧いていて、またそれがまろやかでとっても美味しいんです。このお水で仕込んだワインはまた格別ですよ。
写真1枚目:奥尻湯ノ浜温泉ホテル緑館 2枚目:緑館の足湯(無料) 3枚目:神威脇漁港は絶好の夕陽スポット
次回、南奥尻へつづきます。
(松本しう周己)