「決められたルールを守らず、間違った場所に入ってしまうと大変なことになる」── 高速道路のおハナシ。
冗談抜きに「ちょっとした不注意」では済まないのが、高速道路(自動車専用道路)への人・自転車の誤進入です。
時速100km/hで走行中、路線上に突如あらわれる歩行者(自転車)。見たことのない光景にドライバーはパニック、大事故につながるケースが後を絶ちません。
「まだ少数でしょ」と思うなかれ、その数、NEXCO東日本だけでも、昨年(2012年)で約1500件!1日に約4件発生している計算になります。
とくに人口の集中する都市部の5路線、
1.京葉道路
2.第三京浜道路
3.横浜新道
4.関越自動車道
5.東北自動車道
これらで、NEXCO東日本全体の半数を占めているとか。
そして、通報件数の多さも、この順になります。ワーストワンは京葉道路です。
さらに個々のケースを調べてみると、興味深い傾向も見えてきます。
立ち入った方法や乗り物は、歩行や自転車、原付自動車など様々なパターンがあります。注目すべきはその年齢。多くの方が、70歳を超えた高齢者だという点。
これは、故意や不注意ではなく、正常な判断能力に劣っている方が事故を引き起こしてしまうケースが多くを占めていることを物語っているのではないでしょうか。
道路会社の対策としては、流入路に看板を設置し注意喚起しているとのことですが、そうした方にとっては、看板が認識されているかどうかすらあやしいところ。生ぬるい、という指摘もあるかもしれません。
大音量の警報アラームや音声による警告、場合によっては物理的なショックを与えるような対策も必要かもしれません。
さらに、進入に課せられる道交法のペナルティ(3ヶ月以下の懲役又は5万円以下の罰金)についても、甘いといわれてもしょうがないでしょう。
いざ、という時の対策ですが、道路会社によって見解が異なる様子。
NEXCOでは、
1.同乗者からの110番通報(※運転中の携帯電話の操作は道交法により禁止のため)
2.SA・PAにある非常電話からの通報(※本線上の非常電話は緊急専用のため)
3.最寄りの料金所に連絡
と、本線上の非常電話からの通報は禁じています。
かたや首都高速道路では「近くの非常電話」の使用は認めており、携帯電話からの通報も「ハンズフリー装置等を使用する」という前提で、こちらも認めています。
安全に大きくかかわる問題ゆえ、ユーザー視点に立っての統一化を望みたいところです。
何はともあれ、誤進入を見かけたならできるだけすばやく周知させることが何より優先されますので、すみやかに一報を!
※画像はNEXCO東日本コーポレートサイトより(http://www.e-nexco.co.jp/)
(畑澤清志)