新型アコードハイブリッド(アコードHV)のボンネットを開けると、エンジンカバーに「EARTH DREAMS TECHNOLOGY」の文字が刻まれています。このスローガンでホンダは、「地球環境の保全」と「クルマに対する人々の夢」を「ホンダの独自技術」で両立することを目指しているのです。そしてその第一弾となる新型アコードHVは、新開発の2モーター・ハイブリッドを搭載して登場! スポーツハイブリッドによる「燃費&パワー」の提案という、いかにもホンダらしいクルマがデビューしたのです。
■驚異的な燃費30km/lとモーターによるスポーティな走りを両立
「EARTH DERAMS TECHNOLOGY」のポイントは、ハイブリッドのモーター機能を見直して電気効率を大幅に向上させることにあります。入社以来アコード開発に携わってきた開発責任者の二宮主任研究員は、新型アコードHVに新開発「スポーツハイブリッドi-MMD」を搭載し、「インサイトを凌駕する燃費(なんと30km/l)」と「モーターによる鋭くパワフルな走り」の両立を目指しました。そして「セダン愛。」の宣伝コピーのとおり、日本では縮小してしまった国内ミドルセダン市場の復活を目指したのです。
■新開発「スポーツハイブリッドi-MMD」は2基のモーターが主役!
従来のハイブリッド「IMA」はエンジン中心でしたが、新開発の「i-MMD」はモーターを主役に置いて開発されました。モーターは、エンジンに直結した発電用とパワフルな走行用の2基を配備。リチウムイオンバッテリーによって電気の出力量&回生量を増大させ、パワー&電費を向上させました。世界最高効率を誇る2Lエンジンは、「発電」と「高速巡航」に特化。走行モードは、バッテリー及びエンジン発電によるモーター走行と高速巡航時のエンジン走行の3通りで、モーター走行中心の走りが最大の特徴になっています。
■難産ゆえに磨き抜かれた、正統かつ斬新なセダンスタイル
新型アコードHVはUSアコードがベースですが、そもそもUSアコードのデザインは難産中の難産でした。日本・ドイツ・アメリカ・タイの各デザイン拠点が、7種の実物大モデルを作成してコンペしたのに、「アコードらしくない」と評されて全てボツ! 開発コンセプトの「爽快・先進・上質」と「伝統のMM思想」を練り直し、凹面から凸面に切り替わるショルダーラインにチャレンジして、正統かつ斬新なセダンスタイルを完成させたのです。更に新型アコードHVでは専用フロントマスクを仕立てて、先進性と上質感を強調しています。
二宮主任研究員は開発ストーリーの中で「ずっと押さえつけられていたものが、やっと解放された」と述べています。このコメントから、「エンジン中心のこだわり」と「妥協なき技術の追及」という、ホンダの根源的な葛藤を垣間見た気がしました。「地球保全」と「クルマの夢」の両方をかなえる「EARTH DREAMS TECHNOLOGY」は、これから目白押し! 当分ホンダから目が離せなくなりそうです。
■新型ホンダアコードハイブリッド http://www.honda.co.jp/ACCORD/
(拓波幸としひろ)