子供の頃に見ていた図鑑に、未来を描いたイラストをみたことある方もいらっしゃると思います。筆者の世代だと壁掛けテレビや携帯電話など、すでに実現しているものも数多く存在しています。しかし、そのイラストに描かれていたもののなかで今でも実用化されていないのが近未来のクルマ。イラストの中には現代のクルマとはかけ離れたデザインのものや曽和飛ぶクルマなどが描かれていた記憶があります。
しかし自動車メーカーがショーモデルとして出展したり、デザインコンセプトとして提案するモデルの中には、この図鑑に登場するような奇抜なデザインのクルマが登場しています。
今回はそんなコンセプトカーの中から、驚きのデザインのクルマをご紹介します。
■掃除機型(ホンダ TypeE)
もはや大きな掃除機にしか見えないHONDA TypeE。ホンダが次世代電気自動車として公開したこのモデルは、速度に応じて走行姿勢が変わる車で、低速時は直立して走行し、高速時には画像のように、巨大な掃除機のようなスタイルで走行します。直立状態のときはその場で転回することも可能ですし、なにより駐車スペースが従来のクルマの半分以下で済むというメリットがあります。
■UFO型(シトロエン)
UFO型のクルマというより、UFOとしてデザインされたのがシトロエンのコンセプトモデル。ミラノのデザインウィークに公開されたシトロエン製のUFOは全長が3640mm、全幅が2970mm、全高が1070mmとサイズも現代のクルマと比べるとかなり奇抜なサイズとなっているのがわかります。
ちょっとクルマとは言い難いですが、これこそ図鑑に載っていた空飛ぶクルマの理想的な形といえるのではないでしょうか?
■神輿型(シトロエンEvo Mobile)
こちらもタイヤのないシトロエンのコンセプトモデル。エクステリアは初期のシトロエンをイメージしたといわれていますが、前後に伸びた突起状のデザインがお神輿を連想させるのは僕だけでしょうか?
ちなみにインテリアも奇抜で、ステアリングのようなものは一切設置されておらず、運転席と思われる場所の正面にはiPadが鎮座しています。いったいタブレットでどのように運転するのかも気になるところですね。
■クモ型(シトロエン Taranis)
またまたシトロエンからのコンセプトモデルですが、前述の2つのモデルに比べると、ずいぶん現実的な形状といえます。それでも、アニメやSF映画に登場しそうな先進的なデザインが特徴です。
車輪に伸びたアームは可動式で自由自在に車高を変えることができ、悪路走破性を高めたスタイルとなっています。また動力は電気を想定しており、環境にも配慮した近未来カーとなっています。このスタイルならもしかしたら近い将来登場してもおかしくなさそうですね。
■鎧型(マツダ 元就RX)
ずばり「2057年の未来社会におけるロボカー」をテーマに2007年のロサンゼルス・オートショーにマツダが出展したコンセプトモデル。マツダの本拠地である広島で勢力を誇った戦国武将の毛利 元就をイメージして「元就RX」と名づけられています。ネーミングもすごいですが驚くのはその外観。クルマというよりは鎧の塊に見える元就RXは、乗り込むのではなく、着るイメージで「装着」します。
光輝くボディの表面は光電子コーティングを施したカーボンナノチューブと形状記憶合金で構成されており、見た目のインパクトだけでなくボディの素材も最先端のものを使っています。四つの車輪は360度回転が可能で操舵と速度の調整はアームレスト部分で調整する仕様となっており、これまでのクルマのステアリングから伝わってくる路面状況はスーツから伝わる電気刺激で把握できるようになっているそうです。見た目だけでなく中身も近未来を意識したハイテクマシンいえそうです。
各メーカーのデザインコンセプトもでるは現代のクルマと比べると少々超越しすぎてる感がありますが、近い将来このようなデザインのクルマが走り始めたら、街中もちょっと華やかなイメージに変わると思いませんか?
(井元 貴幸)