「横浜ゴムの自社技術を結集して一台のEVを創るとどうなるか?」をテーマに参考車両として製作されたのが『AERO-Y(エアロワイ)』。
まだ誰も試乗したことがないEVを「ル・ボラン カーズミート」にて限定6名抽選で試乗できるという事だったのですが、偶然にも当選したので行ってきました。
アドバンカラーの美しいデザインは「空気」「空力」をテーマにムーンクラフトがデザイン。エアロダイナミクスの考えが反映されているそうです。
横浜ゴムはタイヤ事業の他に航空部品事業とハマタイト事業を行っています。このEVにはボーイング社に日本で初めて認証されたカーボンプリプレグ(繊維+樹脂の素材)をベースに専用再設計した素材を使用。これからのクルマ造りには必須の軽量化にむけたボディ素材を探っています。また、ハマタイトという接着技術も活用。EV化が進むと内燃機関の熱問題から開放されるため樹脂系素材の採用範囲が拡大、またアルミや樹脂系素材を使用した車体フレーム構造が採用され車体の軽量化が進みます。そこで金属と樹脂のような異種複合材を接合するために「接着剤」の使用が増えると予想。
空力を考えたボディ、ドアミラーは空気抵抗が大きく法規に対応できるギリギリまで小さくデザイン。
車体下部はフラットになっておりディフューザーもの上にナンバーも綺麗に収まっています。
すべてワンオフで作製している車両なのでモータージャーナリストの島下泰久氏のドライブで試乗。みなとみらいの会場を1周のみの試乗コースだったので空気と空力をテーマに開発されたこのクルマを次回は高速で体験してみたいと思いました。
こちらが次世代タイヤです。
タイヤもエアロダイナミクスが考えられています。タイヤの車両外側のディンプルでタイヤからの空気の流れをコンパクトにすることによって空気抵抗を小さくします。
タイヤの内側にはフィンをつけることによってタイヤハウス内に空気の渦を起こし、タイヤハウス前面の圧力を高めて車両を前面に押し出す力を発生。これにより車両全体としての空気抵抗を低減します。
ドライ・ウェット性能を発揮しつつEV向けに省燃費性と静粛性を高めたトレッドパターンを採用。またコンパウンドも転がり抵抗を犠牲にすることなくグリップ力を高めています。
これからのクルマのEV化に何が必要かを探っていき未来を見据えた開発に役立て、その技術が市販品に活かされていくそうです。この『AERO-Y(エアロワイ)』はこれからイベントなどに出展する予定なのでいろんなポイントをチェックしましょう!
(sin)