3回目の今回は、ようやくテスラ・モデルSの走りについて触れたいと思います。それだけ見どころ盛りだくさんなワケなのです。
今回は御指南役、お目付役として広報ご担当者の方とご一緒させていただいたのですが、東京から京都までは充電なしで走行できたそうですから、85kWh Performanceの航続可能距離500km(欧州の燃費基準値「NEDC/New European Driving Cycle」)は看板に偽りなし、といえそうです。
まずは助手席に座り、操作を教わった後に運転席に収まったわけですが、ステアリングコラム右にあるセレクターレバーやパワーウインドウのスイッチはなにやら見慣れた形状。聞けばメルセデスと同じサプライヤーから調達しているそうですから、操作は慣れてしまえば難しいことはありません。
走り出しの感想は、ひと言で軽い! 床下一面にリチウムイオン電池が敷き詰められ、当然ならフロントにもリヤにも重量物であるエンジンがありませんから、ノーズの動きは見た目以上に軽快。
5m近い全長に、全幅1.9m超、そして車両重量2t超という大きさ、重さを感じさせません。フットワークもボディサイズを感じさせない軽快さで、NVHも高級サルーンの領域に達しています。
EVやHV、PHVでは、油圧と回生ブレーキのブレーキングにも注目ですが、テスラ・モデルSはタッチスクリーンの操作で回生力を2段階で切り替えられます。「スタンダード」にすればかなり強めの回生になり、「ロー」にすればトルコン付きATのような緩やかな減速感が得られます。
さらに、ステアリングモードも「コンフォート」、「スタンダード」、「スポーツ」の3段階が用意されており、この「スポーツ」と回生ブレーキの「スタンダード」にすれば、MTのスポーツカーのようなメリハリのあるハンドリングと減速フィーリングを味わえるなど、簡単なタッチ操作でコントロール性を変えることができるのも魅力
0-100km/hは4.4秒、最高速は212km/hに達するそうですが、現在日本にこの車両1台しかなく、お目付役もお隣にいるとなると思い切りは踏めませんでしたが、アクセルペダルを床まで踏み込み続けなくても、まったく息継ぎ、つまり変速することなくシームレスに加速していくのは、当たり前ですがEVそのものの加速感で、しかもなにやら瞬間移動しているようなスムーズさで想像以上の速さでした。
もし、初めてのEVがモデルSという方がいたらおそらく驚愕ものでしょう!
(塚田勝弘)