太陽光エネルギーの80%を利用! 最新の光発電をEV用にしてクルマは走れるか?

IBMリサーチが、入射する太陽光の80%を有用なエネルギーに変換することができる手頃な価格の太陽光発電システムを発表しています。

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研究者のブルーノ·ミシェル氏によれば、太陽からのエネルギーを集中させることで、2000倍に高め、エネルギーとして利用できるシステムを開発したといいます。

そのプロトタイプは、わずか25平方センチメートルの太陽光発電パネルで25kWの出力を目標にしているということですから、そのサイズだけを聞くと、十分に電気自動車を動かせそう!

とはいえ、動画でもわかるように太陽光を集中させるための反射板が必要となるので、太陽光発電パネルの何十倍ものサイズになってしまうようで、まだまだ車載して、太陽光だけでクルマを動かすというのは難しいよう。

また、80%というエネルギー変換効率についても、電気として活用する分だけではなく、冷却系などの熱利用を含めての数字ということです。

ちなみに、現時点で電気自動車における太陽光発電の利用といえば、日産リーフの上位グレードにおいてソーラーパネル内蔵リヤスポイラーを採用していることを思い出しますが、この太陽光発電は12Vバッテリーの補助充電を行なう程度で、駆動力にはなっておりません。

果たして、太陽光だけで走れる、充電いらずの電気自動車は生まれるのでしょうか。

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(山本晋也)

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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