以前に「F1のダウンサイジングでトヨタ・ホンダが参戦に向けて1.6L V6ターボエンジンを開発中 !?」でトヨタやホンダのF1復帰の動きをお伝えしましたが、2013年5月15日の新聞報道で各紙が一斉にホンダがF1復帰を正式決定したとの情報を掲載しています。
ホンダはリーマン・ショックに伴う業績悪化を受けて2008年12月の撤退宣言以降、F1世界選手権シリーズから撤退していましたが、ここへ来て2012年の世界販売台数が400万台を突破するなど、主力の北米市場を中心に販売が回復傾向に転じており、営業利益もV字回復を見せていることから今回「F1復帰」の判断となったものと推測されます。
2014年度からF1マシンのエンジン・レギュレーションがこれまでの2.4L NA(自然吸気)V8からターボチャージャー付1.6L V6エンジンに変更されることが決定しており、現在各チームが新エンジンの開発を急いでいる状況。
レギュレーション変更の理由は欧州を中心に市販車で小排気量のターボエンジン搭載モデルが主流となっており、F1も環境面への配慮から時流に沿わせるもの。
近年F1マシンは技術面で独自性が強まり、市販車に技術を活かし難くなっていましたが、環境面に配慮した今回の改定はF1で培った技術の市販車へのフィードバックが期待できます。
ホンダはF1レースを通じて技術を磨き、今後の市販車の開発に反映させていく方針のようで、具体的にはマクラーレンへのエンジン供給という形で2015年参戦を検討している模様。
同社は既に国内でエンジン設計、開発に着手しているようで、外国人エンジニアと契約して開発面でアドバイスも受けているとか。
F1に装備されるエネルギー回生システム(KERS)がブレーキと排熱エネルギーによる回生となるようなので、HVを得意とするホンダにとっては好都合。
ホンダは2014年3月期業績見通しについて、売上高12.1兆円(+22.5%)、営業利益で7800億円(+43.2%)を見込んでおり、円安効果を追い風に業績が急回復中。
同社が再びF1に参戦するのは、こうした順調な経営状況に加え、世界の自動車メーカーがエンジン性能を競い合う舞台で一緒になって戦うことが技術力向上には欠かせないと判断しているからで、F1戦への復帰により、社員の士気向上にも繋げたい側面も有るようです。
F1用エンジンが市販版の1.6L V6ターボエンジンに姿を変えてスポーティ車に搭載される日が今から待ち遠しい限り。 直4エンジンでは味わえない、ダウンサイズされた「V6」が持つ今までに無いエンジンフィールやサウンド、俊敏な吹け上がり等に大いに期待が膨らみます。
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