以前に「自家用乗用車の自賠責保険料が4月から11.6%引き上げ ! 軽自動車は20%アップ!!」でお伝えしたとおり、自動車損害賠償責任保険(自陪責)の保険料が今年4月以降の契約について全車種平均で +13.5%引き上げられました。
2011年4月の車種平均 +11.7%アップに続くもので、収支悪化に歯止めをかけるのが目的。
自賠責保険は死亡事故などの減少や2002年度以降の黒字で約5400億円に達した累積利益をドライバーに還元するため、2008年度に24%もの大幅引き下げを実施しましたが、2度に渡る値上げでほぼ2004年4月当時の保険料水準に戻ったことに。
一方、大手損保会社の「自動車任意保険」についても2013年10月に相次いで引き上げを予定しているようで、保険料の仕組みが「新等級制度」導入により大きく切り替わる模様。
【自動車任意保険】
東京海上日動火災保険 2013年10月~ 平均 +2%アップ
三井住友海上火災保険 ↑
あいおいニッセイ同和損害保険 ↑
損害保険ジャパン 2013年 4月~ 平均 +2%アップ
日本興亜損害保険 ↑
「新等級制度」では事故を起こしたドライバーに新たに設けられた「事故有り係数」が適用され、2013年9月末までに事故を起こして保険金を請求した場合、10月1日以降の保険料が従来制度よりもアップすると言います。
「事故有り係数」は3年に渡って適用される為、事故後3年間の保険料負担が従前比で大幅増となるので注意が必要。逆に無事故を維持出来た場合は「無事故係数」が適用され、従前の割引率よりも割安に。
1年間に事故を起こすドライバーは10%程度とされており、多くの場合、「新等級制度」によって保険料引き下げの恩恵を受けることになるようです。
つまり、従来は事故の有無に関わらず割引率が一定でしたが、新制度では事故による保険金の支払い実績に応じて大きくメリハリがつけられることになるという訳です。
また盗難やいたずら、落下物との衝突などの事故の場合、従来は「等級据え置き事故」として前年契約の等級が維持されてましたが、10月1日からは「1等級ダウン事故」が適用に。(但し適用期間は1年)。
盗難やいたずら等はドライバーの責任では無いものの、リスク実態と比べて保険料負担が少なすぎたことが新たな仕組み導入の理由のようです。
自動車保険は国内損保事業収入の半分を占める中核分野となっていますが、若者のクルマ離れによる収入減や高齢者の事故増加等で支出が増え、2008年度以降赤字経営が続いており、今回の保険料引き上げで事業の黒字化を狙う模様。
2014年4月に予定されている消費税アップ(+3%)も保険会社の負担増に繋がり、増税後に一段の値上げに動く可能性もあるとか。
こうした保険料アップから身を守る為には従来以上に安全運転に徹して、事故を起こさないようにすることが、最善の策になりそうです。
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