豊田章男社長『モリゾウ選手』がニュルブルクリンク24時間レースに参戦する目的は?

 トヨタのレーシング活動を担うGAZOOレーシングのサイトに、2013年5月19~20日に開催されるニュルブルクリンク24時間耐久レースに、モリゾウ選手がドライバーとしてエントリーしていることが発表されています。

モリゾウ選手といえば、言わずと知れたトヨタ自動車・豊田章男社長のレーサーとしての別名。過去に二度(2007年・2009年)の参戦経験のある豊田章男社長ですが、2009年6月の社長就任以来としては初の24時間耐久へのエントリーとなっています。なお、ニュルブルクリンクで行なわれているVLNレースには、2008年と社長就任後の2011年にも参戦しているということです。

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今年で、7年目となるトヨタのニュルブルクリンク24時間耐久レースへの挑戦ですが、その目的は勝利だけではありません。市販車を改造したレーシングカーで競われるニュルブルクリンク24時間耐久に参戦することは、トヨタのクルマづくりの根幹となるものを見つけることが重要なテーマだといいます。モリゾウ選手が常日頃から口にする「クルマの味づくりを続ける旅」の一貫であるのです。

ニュルブルクリンク24時間耐久レースは、レースといっても緩やかな部分もあり、モリゾウ選手はLFAと86という2台のマシンにドライバーとして登録しているとのこと。社長自らが、実戦の場で自社のクルマを操るというのは世界でも非常に珍しいことで、それだけ「味づくりを続ける旅」への思いが強いという証明ではないでしょうか。

今回、モリゾウ選手のチームメイトとなるドライバーは、LFAが大ベテランの影山正彦選手に、GT500ドライバーである石浦宏明/大嶋和也両選手の3名。86はLFAの開発も務めたという飯田章選手のほか、GT300やスーパー耐久に参戦している井口卓人選手、スーパー耐久に参戦中の蒲生尚弥選手といったそうそうたるメンバーとなっています。

その他、モータージャーナリストとしても著名な木下隆之さん、佐藤久実さんとトヨタの評価ドライバーによるチームで86を走らたり、メカニックも社内から募るなど、ニュルブルクリンク24時間耐久という経験を、今後のクルマづくりに活かそうというわけです。

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※走行画像は2011年ニュルブルクリンク24時間耐久の様子です。

(山本晋也) 

この記事の著者

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山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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