日本のボルボ史上、最高のスタートダッシュを決めたV40に早くも「V40 T5 R-DESIGN」が加わりました。ほかの「Rデザイン」シリーズと同じようにレーシーな内・外装(詳細はこちら)をまとうのはもちろん、走りの面でも大人のスポーツコンパクトといえる仕上がりを見せてくれます。
ノーマル仕様が1.6Lの直列4気筒DOHCインタークーラーターボを搭載するのに対し、「V40 Rデザイン」は33ps/60Nmのアップとなる2.0L直列5気筒直噴DOHCインタークーラーターボをフロントノーズに横置きしています。5気筒エンジンのメリットは、一般的に4気筒よりも振動を抑えやすく、スムーズな回転フィールを得られることで、V6よりもサイズを小さくできます。
この5気筒ターボの美点は、アイドリングストップが備わるなどエコに配慮しながらも低速域から十分なトルクを発揮しつつ、高速までよく伸び、パンチ力も十分な点。箱根の急勾配でもパワーを使い切ることは難しいほどです。
またトランスミッションは、V40 T4が採用するデュアルクラッチのDCTではなく、コンベンションナルな6ATで、スムーズな変速は美点ですが、ダイレクト感ではDCTの方が上です。それでもこのATが走りにマイナスになっている感じは薄く、むしろパドルシフトがあればもっと楽しめるのにという印象です。
タイヤサイズは「V40 T4 SE」が225/45R17ですが、「V40 Rデザイン」には225/40R18のミシュラン・パイロット3を装着しています。スプリングを強化したスポーツサスペンションに加えて、このサイズですからかなりの突き上げを覚悟しましたが、低偏平タイヤの割にはまずまず良好で、これならファミリーユースでも許容範囲に収まるかもしれません。
ただし、速度が上がるほどロードホールディングが高まる印象の足ですし、ノーマルのV40でも速くて快適ですから、普通に使う分にはフツーのV40で十分。よりアグレッシブなスタイルと走りを味わいたい向きには、検討の価値大のコスパを備えているのがV40 Rデザインの存在価値といえるでしょう。
(塚田勝弘)