自動車にも「ハッキング」の危険性が現実に!

近年、国家間をまたがる「コンピューター ハッキング」事件が後を絶たず、機密情報が流出して大騒ぎになるケースも珍しく無くなりました。 

「万全のセキュリティ」などと謳ってはいるものの、所詮人間が作るプログラムなので、「完璧」といったことは有り得ず、仕掛けられたセキュリティを読解して侵入するのもまた人間。

こうした危険性は自動車においても無関係では有りません。 

先日、『電子制御技術の進化で「ECU」のブラックボックス化が加速 !』でも触れたとおり、今や「車載ECU(エレクトリック・コントロール・ユニット)」は高級車から軽自動車まで多数搭載されており、エンジンや電装品、シャシー等、ありとあらゆる部分の制御をつかさどっています。 

普段、クルマで快適なドライブができるのも、「ECU」がドライバーに代わって常に莫大な量の指令を出してくれているお陰という訳です。

画像認識やレーダーによる自動運転が実現しているのもECU頭脳があってこそ。 

とは言え、そんな黒子の「ECU」もやはり人間がプログラムしたものである以上、開発時のバグや飛び交う様々な電波などの外的要因により「100%誤作動しない」とは言い切れません。

ましてや全自動運伝中にECUがハッキングされようものならエライこと。 

おりしも一昨年あたりから韓国車の意図しない暴走による事故が相次いでいるようで、昨年5月には停車中のクルマが突然猛スピードで走り出して前走車に激突して止まるまでの様子を克明に捉えたドライブレコーダーの映像が動画サイトに投稿され、大きな波紋を呼びました。

韓国車 暴走

同様な暴走事故は米国のハイウェイ上でも発生しており、ブレーキを踏んでも、エンジンキーを切っても、ATシフトをニュートラルに入れても暴走は止まらなかったようで、正に制御不能のパニック状態。 

メーカー側はそうした現象は「有り得ない」と主張するものの、その後、韓国の国立科学捜査研究院による分析調査対象に。(結果の公表有無は不明) 

また身近なところでは国内でもイモビカッター等によるECUの脆弱さをついた車両盗難が多発しています。 

電子デバイスの進化が著しい中、走行時の安全確保の観点から中枢頭脳である「ECU」がハッキングされないよう、従来以上に周到なセキュリティ対策を施しておくべきかもしれません。 

〔関連記事〕
・電子制御技術の進化で「ECU」のブラックボックス化が加速 !
 https://clicccar.com/2013/04/16/217911/ 

・車両盗難率ワースト1の愛知県がトヨタに要請した秘策とは?
  https://clicccar.com/2013/02/20/213356/

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 (Avanti Yasunori

この記事の著者

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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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