はたしてこんな運転が可能なのでしょうか? 4月27日から公開されるアーノルド・シュワルツェネッガー出演の映画「ラストスタンド」のワンシーンです。コルベットZR1を駆って逃走する麻薬王コルテスが見せる超絶テクニック。(1:00頃から)
ごらんになりましたか? わざとスピンしてバック状態で走行し、さらには追いかけているSUVをはね飛ばして、また直進状態に戻るというアクションです。この映画のアクションシーンは、CG頼みでなく、基本的にスタントで撮影しているそうです。しかし、ホントにこんなことは可能なのでしょうか?
まぁ、スピンをしてリヤから進んでしまうということはありますね。クルマのセッティングやタイヤの性能の進化のおかげで最近は減ってきましたが、私もドリフトの取材経験が豊富なので、よく見る光景です。
ただし、その次はどうかと思います。ドライバーの麻薬王はシフトチェンジをしているので、おそらくリバースギヤに入れて、そのまま後ろ向きに走っていることを想定しているのでしょうが、リバースギヤは非常にギヤ比が低いので、こんな猛スピードは出ません。どちらかというと、おもいっきり減速状態になるでしょう。ここはちょっとありえない設定かと。ただし、クラッチを切って惰性で走れば、あまり減速せずに後ろ向きに走り続けることも可能かもしれません。
いっぽう、SUVを吹っ飛ばすのは、現実にはさすがに無理だと思います。では、そこからもういちどスピンをして、直進状態にもどるというのは可能でしょうか? 断言はできませんが、うまくやればおそらくできると思います。ただ、クラッチを切って慣性で走っている状態で急ハンドルを切っても、ただどっちかに曲がっていくだけになりそうですから、なんらかのきっかけが必要かもしれません。クラッチをつないで後輪にブレーキをかけつつ急ハンドルを切るか、サイドブレーキで後輪にブレーキをかけつつ急ハンドルを切るとか、そういう動作でしょうか?
ま、やってみたいひとは、くれぐれもひとに迷惑のかからない安全なクローズドコースでお願いします。
ともあれ、この映画はカーアクションのシーンがふんだんに盛り込まれているそうなので、そういった面からも楽しめそうです。
また、この映画に主演するアーノルド・シュワルツェネッガーも大のクルマ好きで、ハマーやウニモグなども所有しているそうです。そういうマッチョなクルマ、好きそうですね。
(まめ蔵)