新型パナメーラ・プラグインハイブリッドの受注を4月15日よりスタート!

カイエンに続き、ポルシェの屋台骨を支えるべく開発されたパナメーラは、クルマのカタチとしてはスポーツカーではありませんが、乗るとカイエン同様にスポーツカーの血が濃厚だと思い知らされます。4月21日から開催される上海モーターショーでワールドプレミアを果たすのが、2代目になる新型パナメーラです。

Panamera S E-Hybrid Panamera S E-Hybrid

ニューパナメーラといってもフェイスリフトのビッグマイナーチェンジで、目玉はプラグインハイブリッドシステムの搭載です。

パナメーラが属するラグジュアリークラスでは世界初。PHV先進国の日本でもプリウス、アウトランダーPHEVしか市販化されていないわけですが、すでにカイエン/パナメーラでハイブリッドを商品化しているポルシェからすれば難しいワケではないですし、1900年に世界初のハイブリッド「Semper Vivus」を作ったのはポルシェなわけですから。

S11_0227_fine車名は「パナメーラS eハイブリッド」で、従来のパラレル方式のフルハイブリッドシステムを発展させたシステムを採用。3.0LのV6エンジンに、新開発のリチウムイオンバッテリーとモーターに外部充電機能を搭載し、先代パナメーラの電気モーター(47ps(34kW))の2倍以上となる95ps(70kW)の出力を発生するのが見どころのひとつです。

このリチウムイオンバッテリーは、先代モデルのニッケル水素バッテリー(1.7kWh)を5倍以上も上回る9.4kWhの容量を備え、ドイツ本国の通常の家庭用コンセント(230V)に接続すると4時間以内で満充電になるとのこと。

注目の燃料消費量(NEDC:新ヨーロッパ走行サイクル)は、先代「パナメーラS ハイブリッド」の7.1L/100kmから3.1L/100kmへと56%も低減し、欧州に課せられている長期目標の2020年の95g/kmなど、年々厳しくなる排出量規制に対応する切り札であるのは間違いありません。

EV走行時の航続距離は、NEDCに基づくテストで36kmにとどまりますが、NEDCのテスト条件ではエアコンやヒーターはオフにされていたため、日常使用における現実的な航続距離は、およそ18~36kmの間になるとのこと。

しかし、より有利な条件がそろえば、この数値を上回る可能性もあり、新しいハイブリッドシステムを備える新型パナメーラは、エレクトリックシステムのパワーだけで135km/hの最高速度はポルシェらしいところ。

Panamera S E-Hybrid - Innenraum Panamera S E-Hybrid - Innenraum

そう、いくら燃費が良くても評価されないのはポルシェの難しいところです。エンジンのパワーを電気モーターがアシストするEブースト機能により、0-100km/h加速タイムは5.5秒で、従来型より0.5秒短縮されています。同機能は、追い越しをかける場合などのキックダウン操作によっても作動し、エンジンも稼働すると最高速度は270km/hに到達。

同時に、ポルシェが開発したパラレル方式のフルハイブリッドコンセプトは、エンジンを停止したまま滑るように走行する「コースティング」とエネルギー回生機構もこれまでより高い速度でも可能だそうです。

「パナメーラS eハイブリッド」の価格は1534万円で、ハンドル位置は左右とも設定されます。

(塚田勝弘)

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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