マツダ・アテンザ試乗レポート【1】よりの続き。
この10年くらい日本はディーゼル鎖国をしていた…とボクは思っている。
黒煙を吐き臭い排気ガスをまき散らすディーゼルに良いイメージを持っていた人はほとんどいないだろう。
じつはその間に欧州ではディーゼルが脚光を浴び新しいディーゼルエエンジンが次々と登場していた。石油を精製すると重油、軽油、ガソリンがある一定の比率で精製されるので、欧州では燃料枯渇に対する対策としてディーゼルに力を入れていたのだ。北米は液化天然ガスとアルコール燃料。日本はガソリンとモーターのハイブリッドと3極それぞれの都合もあって各国政府は独自の政策をとっていたわけだ。
じつはそうした動きが出る直前に日本でもディーゼルのノンサルファ化が計画されていた。サルファ=硫黄を取り除くことで精製にコストがかかるが排ガスがクリーンになる。ところが、国内の石油会社がこれに向けて動き出したところで、日本政府の方針がハイブリッドに大きく舵が取られとん挫。
一方、欧州ではある程度排ガスのクリーン化は進んだものの、欧州の各自動車メーカーはユーロ5という排ガス規制がクリアできないでいた。そしてようやく排気システムに尿素を用いた排気ディバイスを取り付けることで対応するという解決策が開発された。
ところが、マツダのディーゼルは厳しいユーロ5どころか、ユーロ6規制を排気ディバイスなしにクリア。さらに厳しい日本のポスト新長期規制もクリアしてしまったのだ。
その優秀な排ガス性能がマツダの新型ディーゼル「スカイアクティブーD」の大きな魅力の一つになっているのだ。
(斎藤聡)