アウディといえば「技術による先進」を掲げ、ラリーやルマン24時間レースなどのモータースポーツを走る実験室として位置付けています。1983年には世界ラリー選手権でドライバーズチャンピオンを獲得。昨年もアウディR18 e-tron quattroで通算11度目、ハイブリッド車初のルマン優勝を成し遂げています。
先の2月25日、フルタイム4WDのクワトロを搭載した500万台目がネッカーズルム向上をラインオフされました。車種はホワイトのA6オールロードクワトロ3.0TDIです。
フルタイム4WDを乗用車に持ち込み、1980年にリリースされた初代クワトロ(80クワトロ)以来、搭載されたモデル数は140超!とのこと。現在はR8をはじめ、SUVのQシリーズにはすべてに搭載されていて、世界で最も幅広いラインナップを誇ります。アウディにおけるクワトロ搭載車は43%以上といいますから、他社と比べてもかなり高い比率です。
クワトロの開発は、1976-77年の冬にまでさかのぼり、80年のジュネーブモーターショーでデビューします。1986年にはトルセンLSDを使った第一世代のマニュアルロッキングセンターデフを登場させ、2005年にはプラネタリーギア(遊星歯車)を使ったセンターロッキングディファレンシャルを搭載。
そして現在のクワトロは、エンジン横置きのA3やQ3、TTには油圧アクチュエーターと組み合わせる電子制御式マルチプレートクラッチを採用。最新のRS4アバントやRS5クーペなどには、軽量コンパクトなセンターデフを搭載し、フロントには最大85%、リヤには最大70%のトルクを振り分けることが可能なタイプを用意しています。また、先日日本でもデリバリーされたQ5のハイブリッドにもクワトロが組み合わされるなど、さらにそのバリエーションを増やしています。
(塚田勝弘)