アウトランダーPHEVは、ミッションがないのにパドルシフトがあるそのワケは?

新型アウトランダーPHEVのシステムは、EV級の大容量バッテリーと3つのモーター、そして2Lガソリンエンジンで構成されています。そしてエンジンの役割を「発電機>駆動力」に割り切ることで、電気の出し入れを自在に操ることが可能となりました。EV発のPHEVシステムは「充電」と「給電」を両立して、使い勝手を飛躍的に進歩させたのです。

■特徴:3通りの充電方法とAC100V給電機能を備えています!

EVがルーツのPHEVシステムは、3通りの充電方法を備えています。1つ目は「プラグイン充電」で、200V電源なら約4時間で充電完了。オプションで急速充電器も対応可能です。2つ目は「エンジン充電」で、エンジンが発電機となって充電する「シリーズモード」と、エンジンで駆動走行しながら同時に発電する「パラレルモード」を自動的に制御しています。3つ目は惰性走行やブレーキ時の「回生充電」で、前後のツインモーターが高い回生効率を実現しています。一方「給電」では、オプションで外部への「AC100V給電」が可能。超大容量バッテリーとして、アウトドア等で様々な使い途がありそうです。

■使い勝手:ミッションが無いのに「パドルシフト」とはこれいかに?!

インテリアはメーターやシフト等に専用デザインを採用。シフトパターンがトヨタプリウス準拠なのは、買い替え狙いかしら?PHEV化の影響で2列シート5人乗り仕様だけですが、室内は充分な空間をキープ。ミッションが無いのにパドルがあるのは「回生度合い」を6段階にシフトするためで、新感覚の回生ドライブが楽しめますヨ。またバッテリーの容量管理も可能で、コンソールボタンの「チャージ」ではシリーズモードで積極的に充電し、「セーブ」では電力消費を抑制して走行するようになります。外部充電や給電利用の予定を見越して調整できるから、とても便利です。

■バイヤーズガイド :Gセーフティパッケージに、充電&給電のオプション追加がイチオシ!

新型のPHEVシステムは全車共通で価格帯は、332.4万〜429.7万円。グレードは大きくEとGの2つですが、安全支援システムが選べるGの「Gセーフティパッケージ」がイチオシ! 更にナビ付きや本皮パッケージも選択可能です。またオプションで是非ともオススメしたいのが「急速充電機能(7.35万)」で、急速充電器から30分で80%の充電が可能になります。更に「100V AC電源(8.4万)」なら、1500Wまで電源供給が可能なので、アウトドアや災害時などで重宝すること間違い無しの逸品です。

新型アウトランダーPHEVの給電能力を見てみると、バッテリー満充電なら一般家庭1日分の電力を、更に満タンのガソリンがあればエンジン発電で10日分の電力を給電できるというのですから素晴しい〜! まさに新型アウトランダーPHEVは、電気を自在に操る「電気の魔術師」だと思い至った次第。また気になる補助金ですが、是非とも来年度も継続して新市場と新技術を育んで欲しいと思います。

新型三菱アウトランダーPHEV http://www.mitsubishi-motors.co.jp/outlander/special/new2012/main.html?type=phev

(拓波幸としひろ)