新型「ムーヴ」の燃費向上秘策はCVTの油温制御だった !

2012年12月20日にビッグ・マイナーチェンジしたダイハツ「ムーヴ」が、同年9月にワゴンRが達成したばかりのJC08モード燃費28.8km/Lを僅差で抜き、29.0㎞/Lを達成して話題になっています。 

昨年、同社自慢の第3のエコカーこと「ミラ・イース」の燃費「30.0km/L」が僅かデビュー3ヶ月後にスズキ「アルト エコ」の「30.2.km/L」に僅差で抜かれ、クラスNo.1の燃費を奪われた経緯があり、共に「0.2km/L」差で今回はまさにそのリベンジとも言えます。 

報道等によると、ダイハツは新型「ムーヴ」の改良にあたり、新型「ワゴンR」の燃費情報を掴んだ段階で、急遽、暖めていた新技術を適用することにしたようで、その筆頭技術が「CVTサーモコントローラー」だったと言います。

これはエンジンの熱を利用してCVT内のオイルを温める装置で、従前のトルクコンバーター式A/Tに対してCVTではロックアップ領域が狭いことから油温の上がりが遅く、始動時に冷えている為、粘性が高い事に着目したもの。 

始動時にCVTのオイル粘性が高いと、抵抗により燃費ロスが発生する為、エンジン冷却水の熱を循環してオイルを温める熱交換器を新たに設置。

CVT サーモコントローラー

これが冷間始動から始まる「JC08モード燃費」上でも有利に働き、点火時期を各シリンダー毎に最適制御する「気筒別燃焼制御」の採用や「吸気温度」の低減など一連の「サーモマネジメント」効果で燃費が約1.5km/L向上した模様。 

ダイハツ ムーヴ サーモ・マネジメント

他にもCVT本体の改良(低粘度CVTフルード採用、ハイギア化)や車高ローダウン(-10mm)による床下空気抵抗低減、軽量化などにより、操安性向上に伴う車重増加分を相殺、旧モデルの27.0km/Lから+2.0km/L燃費を上乗せして「29.0㎞/L」を達成したという訳です。

ダイハツ ムーヴ 気筒別燃焼制御

ワゴンR」が補機類に使用する電力を回生システムで「発電」してオルタネーターの作動頻度を低減、エンジン負荷を減らしたのに対して、新型「ムーヴ」ではCVTの始動時オイル抵抗によるロスに着目して省エネ化したのが特徴。 

このようにコスト制約の厳しい軽自動車のシェア争いの中で生まれつつある数々の低燃費テクノロジーはやがて競合車や小型車、さらには上級車にも採用されて行く筈で今や軽自動車はその先導役になっていると言っても過言では無さそうです。

 (Avanti Yasunori) 

■新型ダイハツ MOVE 公式HP
http://www.daihatsu.co.jp/lineup/move/index.htm

■新型ダイハツ MOVE CUSTOM 公式HP
http://www.daihatsu.co.jp/lineup/move_custom/index.htm

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この記事の著者

Avanti Yasunori 近影

Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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