以前に『急がれるEV車日本独自充電規格「CHAdeMO」の将来対応 !』で触れたとおり、EV、PHV用の急速充電システムに於いて、日本が実用化して世界で展開中の「CHAdeMO」方式に対抗して欧米が「コンボ」方式の採用を決定。
充電方式に関する今後のデファクト・スタンダードが不透明な状態となっています。
そうした中、新聞報道などによると、日産が以前から提案していた非接触(ワイヤレス)給電技術を2014年を目処に採用する方向と伝えています。
電磁誘導方式を採用し、送電コイルと受電コイルの間の距離が150mm程度なら十分給電可能とか。使用する周波数は20~100kHz辺りとみられています。
ワイヤレス給電方式は充電の度に給電ノズルを車両に接続する必要が無いことからEVの利便性が大きく高められる為、トヨタや三菱、BMW、GM、ルノーなど世界の自動車メーカー各社が開発に取り組んでいると言います。
この為、ワイヤレス給電技術の国際標準化作業が急速に進んでいるようで、国際電気標準会議(IEC)/国際標準化機構(ISO)の共同部会が2014年までに国際標準を制定する模様。
ワイヤレス給電の主流は、コイルとコイルを向かい合わせて電磁波で電力を伝える「電磁誘導方式」や「磁界共鳴方式」が有り、自動車用途では数kWに及ぶ電力供給装置を一般人が扱うことになる為、先行して人体防護に関する指針などが決まりつつあるようです。
一方、課題となっているインフラ側(送電)と車両側(受電)の通信用周波数帯やコイル形状については2014年までに技術指針(TS)として提示され、その後、2017~2018年頃までに最終的に国際標準(IS)化される模様。
こうした給電方式のワイヤレス化の動きは今後急速に進みそうで、2020年頃には大きな市場となる気運が高まりつつあるようです。
この勢いで行くと、やがては給電専用レーンを走行するだけで充電が完了するような時代もそう遠くないうちに到来するのかもしれません。