背高のっぽのホンダN BOXがグッドデザイン金賞に選ばれた理由

軽乗用車最大級の室内空間を実現したホンダN BOX(エヌ ボックス)と、そこに“新しい可能性をプラス”したN BOX +(エヌ ボックス プラス)が、日本デザイン振興会が主催する2012年度グッドデザイン賞の「グッドデザイン金賞(経済産業大臣賞)」を受賞したことが発表されています。

デザインを見た目の評価という風に捉えると、スタイリッシュとはいえない背高のっぽの軽自動車がグッドデザイン金賞に選ばれるということに違和感を覚えるかもしれません。

 

しかし、デザインには意匠を示すだけでなく、設計や計画、さらには思考といった意味さえ持っています。

そしてグッドデザイン賞は、意匠性、機能、品質、安全性などの基本要件に加え、暮らしへの提案までを含めて総合的に審査するもの。つまり、見た目がスタイリッシュであるかどうかは、ひとつの要素でしかないということです。

 

今回、グッドデザイン金賞に輝いたN BOXは、ホンダのクルマづくりの原点でもある「M・M(マン・マキシマム/メカ・ミニマム)思想に基づいて作られたもの。プラットホーム、パワートレインともに新設計というチカラのはいった一台です。まさにホンダのDNAが評価された結果といえそうです。

 

なお、受賞理由としては『大きさに決まりがある軽乗用車の概念を超えた室内空間を実現。また、新開発のエンジンとトランスミッション、アイドリングストップ機構によって走行性能と燃費性能を両立」したことが評価されたといいます。

また、福祉車両にとどまらない遊びの可能性を広げてくれるN BOX +のライフスタイルへの提案も、グッドデザイン金賞に相応しいものといえそうです。

 

(山本晋也)

この記事の著者

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山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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