トヨタが北米でデミオを売る?マツダのメキシコ新工場がトヨタ車を生産することに!

 トヨタとマツダが、マツダのメキシコ新工場での生産について合意を発表しました。

トヨタとマツダ、メキシコでの生産について合意 [PDF形式]
http://www.mazda.co.jp/corporate/publicity/release/2012/201211/121109a.html

この発表の中で特に注目したのが、その生産される車種。発表ではマツダ2(日本名デミオ)をベースとしたトヨタブランドの小型車とあります。つまり、北米のトヨタでデミオを売るということ。

これまでもトヨタのパッソとダイハツのブーン、トヨタ86とスバルBRZなど、グループ内で同じクルマを販売するということはありましたが、技術提携の関係であるトヨタとマツダはトヨタグループではありません。そのマツダのクルマをトヨタで販売するということはかなり異例とも言える出来事です。

スズキの撤退など、コンパクトカーに厳しいマーケットの北米市場では異例なほどマツダ2はかなりの人気車種。マツダの冠のついたラグナセカサーキットでは毎週のようにワンメイクレースも行われ、日本からのデミオの情報もかなりの頻度で速報として流されています。そんな人気をうまく使って北米での小型車シェアを伸ばそうという目論みがトヨタ側にあるのかもしれません。マツダにしてもメキシコの新工場である程度の生産量を確保できれば生産台数増加による効率の向上や収益を期待できます。

円高で推移する為替市場や政府、電力会社の不甲斐ないエネルギー政策から海外に生産拠点を移さなくてはいけない状況下の製造業、特に自動車などの大規模工場を必要とするものは、生産立地の効率化と同業種による協業でグローバル社会を乗り切らなくてはならない状況。もはやグループの枠を超えていかなくてはならないのではないでしょうか。

(北森涼介)

この記事の著者

松永 和浩 近影

松永 和浩

1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。
3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。
続きを見る
閉じる