地球に優しいEVレースが市販EVの電費性能を加速させる

日産リーフや三菱i-MiEVの普及で、環境に優しいEV(電気自動車)が注目される中、JEVRA(ジェヴラ:日本電気自動車レース協会)主催の全日本EV グランプリ第4戦が、千葉県にある袖ヶ浦フォレストスピードウェイで開催されました。

 

参戦したEVは日産ワークス体制で挑むEV-Pクラスの日産リーフ NISMO RCを初め、市販EV最高峰である出力100kw以上のEV-1クラスにはテスラ ロードスター、今回一番台数の多いエントリーであった、出力50kw以上100kw未満のEV-2クラスには日産 リーフ、ガソリン車では軽自動車クラスに当たるEV-3クラスには三菱i-MiEVがエントリーしています。

また市販車両をベースにEVにコンバージョンしたEV-CクラスにはトヨタAE86レビンやFC3S RX-7をベースとしたEVも参戦。

なおEV-Pクラス、EV-Cクラスはバッテリーやモーター出力に制限はありません。
他にも一番身近なEVとして注目を集めるEV-Bクラスに電動スクーターもエントリーしていました。

EVレースには菊水電子工業の移動式急速充電器が設置され、日産リーフや三菱i-MiEVを15分~30分で約80%まで充電させる事が可能です。

会場では、これからEVレースに本格参戦する人向けに、充電設備などの展示もありました。
充電スタンドのタイプなどにより、家庭の電気設備の変更が必要である事から、それに伴う機器はこれからEVを導入するユーザーには必要不可欠と言えます。 

EVレースではピットストップでの充電はレギュレーションで禁止されていますが、速さを競うレースでは万が一充電が可能であっても最速で15分も充電時間が必要な事からも、電費性能が勝敗のカギを握ります。

 EV-Pクラスに出場している日産 リーフ NISMO RCはボディやフレームこそレース仕様ですが、インバーターやモーターは最高出力や最大トルクを含め、市販のリーフと全く同一の物を使用する事で、過酷な条件下での電費や航続可能距離等、実戦で得たデータを市販車へフィードバックし、リーフを初めとしたEV開発に活かされるそうです。

EVレースは地球環境に配慮した競技であるだけでなく、今後発売されるEVに役立てられる事からも、レースと言う名の走行実験も兼ねている非常に意義のある競技と言えそうです。

 (井元 貴幸)