BMW M6試乗。ターボエンジンの低速トルクを有効に使うのが速く走らせるコツ

前回解説したM6クーペとカブリオレだが、今回は試乗レポートをお届けしよう。

BMW M6クーペの試乗の場となったアスカリ・レース・リゾートはオランダの大富豪が作ったプレイベートサーキットであるが、一周5.4kmもあり高速コーナー、中速コーナー、タイトターン、アップダウンがあるなど本格的なレースコースである。ただ普通のサーキットと異なるのは観客席がないことだ。
ここをM6クーペで存分に走ることができた。DSCを解除せず、Dレンジでパドルシフトを使うのが一番スムースで速かった。

コーナーを立ち上がるときはタイトコーナーでは2速、中速コーナーでは3速を使うが、アクセルペダルの踏み込みを丁寧にしないといけない。DSCをカットしてある場合にはカウンターステアを使って姿勢を保たなくてはならなくなるからだ。

これはMDM(Mドライブモード)にして多少のリヤの滑りは許容するモードでも、カウンターステアは必要になるから気をつけた方が良い。
結局DSCを生かしたまま丁寧にアクセルペダルを踏み込んで行くのが一番速かった。

もうひとつ新しいM6を速く加速させるコツが判った。ターボチャージャーによる低回転から太いトルクを有効に使うことだ。イエローゾーンが6800rpmか ら始まるが、それより500rpm以上まえの6200rpmでシフトアップするようにパドルを操作するのが次のコーナーに到達したときのスピードが高かった。

その速さの違いは予想以上で、自分では速くは感じないのにスピードメーターは正直に報せてくれる。最初は198km/hにしか達しなかったところが、 最終的には214km/hまで上昇した。恐らく0-100km/h加速などでもマニュルシフトで目一杯レッドゾーンの入り口まで引っ張る運転より、 6200rpmでシフトアップするようにパドル操作するか、Dレンジのまま自動シフトアップさせた方が速いかもしれない。
新しいターボチャージャーエンジンは昔の感覚ではなく、新しい低回転からのトルクを使うドライビングをマスターする必要がありそうだ。

カブリオレは一般道で試乗した。市街地だけでなく、ワインディングロードや高速道路も走った。オープンボディではあるが、非常にしっかりしたボディで乗り心地もよく気持ちのいいドライビングだった。

いざとなるとこのエレガントな容姿のまま凄まじい加速ができるところが快感になる。

特にカブリオレではエンジン音、エキゾーストノートが聞こえる。この辺の演出もうまく、エンジンを掛けるときからブォォーンとアニメのような音を響かせる。

これまでのMモデルのスパルタンなイメージから、普段の足にも気軽に使える乗りやすさ、乗り心地の良さ、スムースさを備えてきた。刺激が少ないと感じるかもしれないが、M6は凄いことをあっさりやってしまうスーパーマシンなのだ。

(菰田 潔)

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