TVドラマに加えてK-POPなどのエンターテイメントの世界で盛り上がりを見せる韓流ブームの一方で、竹島領土問題など再びナーバスな気運が流れる日韓両国ですが、経済発展を目的に両国を結ぶ構想がすでに検討されていたようです。
そんな中、読売新聞が28日、「日韓両政府は1台のトラックに両国のナンバープレートを取り付け、公道を相互に乗り入れできるようにすることで合意した」と報じました。
具体的には第1弾として、福岡県の日産自動車九州と韓国釜山のルノーサムスン自動車の両工場を往復する貨物トラック便で、集荷した自動車部品を相手国に運ぶ計画と言います。
これにより貨物船のコンテナに一旦積荷を載せ替える作業が不要になるため、作業速度が上がり経費削減にもつながるのだとか。
具体的には自動車部品を山口県の下関港まで運び、トラックごと貨物フェリーで釜山港まで移動。釜山港到着後は、韓国の公道を走ってルノーサムスンの工場まで届けるというもの。
日産にとって韓国での車両生産には対米輸出で韓国・米国間のFTA(自由貿易協定)により関税ゼロとなることや、為替のウォン安などを利用できるメリットが背景に有るようです。
一方、同社の日本製新型商用車ではすでに約40%の部品が韓国製だそうで、現在は韓国のメーカー各社から個別に部品を日本へ輸送しており、日韓両港湾でトラックに載せ替えるための梱包作業が生じている模様。
今回の両政府間の合意は厳しい円高を背景に、物流面でもあの手この手のコストダウンに迫られている自動車メーカーの実情にも配慮したものと思われます。
ところで日韓では道路の通行帯が左右逆(韓国は右側通行)なのですが、従来からの特例(日韓協議に基づく自動車運送法の取り決め)で元々一定期間内であれば日本のナンバープレートのままで日本車の韓国内走行が可能。
したがって今後、下記事案についての動向が注目されることになりそうです。
・ダブルナンバー制度と従前の上記「特例」との兼ね合いについて
・従来より日本政府が主張していた韓国車日本乗り入れ時の車両安全基準適合性について
■トラックに日韓ナンバー 相互に公道走行(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/atcars/news/20120828-OYT8T00297.htm?from=yoltop
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