ランドローバーもダウンサイジング、フリーランダー2が4気筒直噴ターボにチェンジ

欧州でトレンド、いや常識となりつつある「ダウンサイジング・コンセプト」。省燃費とトルクフルな走りを両立する、このコンセプトをランドローバーも採用しました。

マイナーチェンジを受けたランドローバー「フリーランダー2」が、そのターゲット。スタイリングはディテールアップした程度の進化ですが、中身は一新といえるもの。

その主役はガソリンエンジン。従来の6気筒から新型4気筒直噴ターボへなっています。このエンジン、最高出力は240馬力、最大トルクは340N.mと6気筒よりもパフォーマンスを向上させつつ、CO2排出量を14%削減させているという、まさしくダウンサイジング・コンセプトらしいものといえます。

すでにレンジローバー・イヴォークに搭載されているガソリン直噴ターボエンジン同様に、高圧直噴、吸排気に備わる可変バルブタイミング機構などを始めとする先進テクノロジーを満載しています。高効率なターボチャージャーはターボラグのない瞬時のスロットルレスポンスを可能にしているということ。さらにフリクション低減などにより、現地での燃料消費率は従来の26.4mpg(およそ9.3km/L)から29.4mph(およそ10.4km/L)へと向上。排ガス浄化性能についても、ファブリケーテッド・スチール排気マニフォールドにより触媒が素早く作用するので、エミッションを抑えています。さらに2本のバランスシャフトにより、6気筒に引けをとらないシルキーでスムーズなレスポンスを可能にしているとのこと。

また、インテリアの進化も見逃せないといいます。新デザインのセンターコンソール、Meridian製ハイパワーオーディオシステムと7インチカラータッチスクリーン、“7 Day Timed Climate”システム、オプションのカーナビゲーションなどはその一例。従来のドック式イグニッションキーに代わり“パッシブ・スタート”と呼ばれるスマートキーシステムも採用されています。 

メカニズムとして注目されるのは、駐車した場所の勾配に応じて制動力を調整するインテリジェント電子制御式パーキングブレーキ。このシステムは停止した時点でのブレーキ温度を考慮して、温度が高い場合には定期的に再起動、ブレーキの温度が下がるにつれて締めつけ力が不足していないか確認するという賢い仕組みです。さらに、エマージェンシーブレーキとして使うことも可能で、横滑りを防止する技術を活用して最適な制動方法を自動的に選択するといいます。

このように中身の進化がめざましい新しいフリーランダー2ですが、日本への販売開始時期、導入される仕様などについては未定ということです。

(山本晋也)

【写真ギャラリーをご覧になりたい方はこちら】https://clicccar.com/?p=194050

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
続きを見る
閉じる