フォルクスワーゲンCCに名を変えたフラッグシップ4ドアクーペ

パサートの派生モデルとして誕生したパサートCCですが、4ドアクーペ「フォルクスワーゲンCC」に生まれ変わりました。

今回は意匠変更に加え、安全装備の充実化を図りつつ、得意のダウンサイジングをより推し進めているのが特徴。車名からパサートの車名が消えたのは、日本ではパサートCCの名があまり浸透していなかったから、というのも理由にあるそうです。

フロントだけでなくリヤも水平基調のデザインに変更し、キリッとしたフロント/リヤビューになったのが特徴。ポジションランプやテールランプにはLEDを採用しています。ただし、4ドアクーペらしい流麗なルーフラインは健在です

車名変更で名実ともにフォルクスワーゲンのフラッグシップになったわけですが、1.8L TSIエンジンに7速DSGを組み合わせることで燃費はJC08モードで13.4km/Lと、パサートCCの2.0L TSIの11.8km/L(10・15モード)から大幅に向上しています。

スペックは160ps/4500-6200rpm、250Nm/1500-4500rpmと最上級モデルにしては控えめですが、当然ながらパサートの1.4Lと比べると段違いにパワーがあり、分厚いトルクによりスムーズな発進加速を味わえます。高速巡航でも登坂路でもモアパワーを意識させられるシーンはほとんどありません。

標準仕様の「1.8TSI」が499万円で、プリクラッシュブレーキシステムやレーンチェンジアシストシステムを備える「1.8TSIテクノロジーパッケージ」が524万円。VWのフラッグシップを買えるならぜひ安全装備満載の後者を選びたいところです

安全装備ではドライバーの集中力低下を検知すると警告音が鳴り続け、さらに15分以内に休憩を取らないと警告を繰り返す「ドライバー疲労検知システム」や「アダプティブクルーズコントロール」、さらに「プリクラッシュブレーキシステム」や「レーンキープアシストシステム」、ドアミラーのインジケーターが後続車の追い越しを知らせる「レーンチェンジアシストシステム」を搭載するなど、VWがもつ安全技術が惜しみなく投入されています。

価格帯も車格も異なりますが、BMWのグランクーペやCLSクラスなどライバルが多いだけにダウンサイジングを推し進めるVWの「フォルクスワーゲンCC」がどう受け入れられるかも興味深いものです。

■フォルクスワーゲンCC(フォルクスワーゲン グループ ジャパン)
http://www.volkswagen.co.jp/cars/volkswagencc/main.html

(塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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